#二つ名
実は、ちょっと修正しました。
#二つ名
俺たちは、とりあえず、タイガーフィッシュがいそうな場所に釣竿を垂らす。
「なぁ、フニャール?」
「何だい? 俊彦?」
「何で金虫って呼ばれてるんだ?」
「……言わなきゃ駄目かい?」
「いや、言いたくないなら……」
「私の使うスキルさ……」
「え?」
「私のスキルはね、金虫って言う虫と同じ力が出せるスキルなんだ」
「虫の力って……」
「虫だからって馬鹿にするなよ? 虫だって凄いんだ! 人間で例えるなら、生命力だって、ジャンプ力だって、数倍になる!」
「それは凄いね。でも、それじゃ、何で馬鹿にされてるんだ?」
「それがいつでも使えるって訳じゃないんだ」
「え? どういう事?」
「知らないのかい?」
フニャールが驚いた顔をする。
「何を?」
「特殊なスキルには、発動するのに眠っているなど、条件が必要な事がある。それで私の場合は、興奮した時じゃないと使えないんだ」
「はぁ?」
「で、私は、大金に弱いだろ? 一番興奮するのは、金を手に入れた時だからな。だからみんな私の事を金虫のフニャールって呼ぶんだ……」
とんでもない能力だ。
でも、それならそんな凄いスキルを持っていてもDクラスなのは納得できる。
「釣れた?」
そこにリースが戻ってくる。
「いや、全然」
とりあえず俺たちは、三時間粘ったが、結果は散々だった。
一匹も釣れない。
そんな中、周りの連中は次々にタイガーフィッシュを釣っている。
きっと場所がいけないんだ。
そう思った俺たちは、また明日出直す事にした。




