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#41.二つの影

#41.二つの影


ここは試しの洞窟。

そこに二つの影があった。


「三百年に一人の勇者が現れたと耳にしたからキマイラを送ったが、まさか倒されるとはな……」

「どうする? ガブリエル?」

「もしかしたら我々を脅かす存在になるかもしれない。ほっとく訳にはいかないだろうな? とりあえずムロを差し向けてみるか?」

「キマイラすらやられたのよ? あの子に何とか出来るかしら?」

「だが、今は我々が出向く事も出来ない。もしムロがやられたら、そん時はそん時だ……」


そう呟くと、つむじ風が起きたと思ったら、二つの影は消えていた。



「それでは、この決闘で全てを決めるがそれで二人とも構わんな?」

「ああ……」

「いいぜ」


国王の言葉に、俺と勇志が了承する。

そこは王宮内にある決闘場。

小さな公園の様なその場所の周りを客席が囲っている。

そこに今、リースたち以外客はいない。


「ルールは簡単! 殺すのは禁止! 相手に参ったと言わせた方が勝ちだ!」


アルベールはそう告げると、両手で開始の合図をする。

とりあえず俺は距離を取ったが、それからどうしたらいいか分からなかった。

俺はどういう訳か体が頑丈だ。

それは、なぜかあるブラックドラゴンの紋章の影響かもしれないが、それなら勇志の通常攻撃も耐えられるかもしれない。

しかし、グランドセイバーはどうだろう?

それに勇志の持つ、もう一つのスキルも気になる。

想像も出来ないが、それらを気を付けていれば、チャンスはきっとある……はず。

だが俺が気が付くと、勇志は俺の後ろをピッタリマークしていた。


「うわぁっ!」


そこで俺は勇志にいじめられていた時の事をフラッシュバックして、あまりの拒絶反応にとにかく闇雲に剣をぶん回す。


(無理無理無理――)


が、勇志はまるで縄跳びでもするかの様に全てかわす。


「おせぇー」


そう付け加えると、俺に向かって、剣を振り下ろしたのだ。


ガガガゴン!


その威力は、いかづちの様だった。

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