表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
36/141

#36.抜け道

#36.抜け道


「あんさん何者や……?」


俺は気が付いたら自我を取り戻していたが、そんな俺をヒューストは怪物を見る様な目で見ていた。


「よかった……無事で……」


それに対して、リースは涙ぐんでいた。


「ごめん、リース……。俺も何が何だか……」


ヒューストとリースの怪我は、リースの魔法で回復させたので、完治とまではいかないが、動く事には問題なさそうだ。

ただ、魔法が得意でないリースの魔力は、そろそろ限界だろう。

次怪我したら、応急処置も怪しい。


「分からない訳ないやろ! 古代の化け物やぞ! 一国を落とすと言われる力やぞ! またいきなり暴走せんやろうな!」

「もう大丈夫」


俺の言葉に根拠はない。


「もう?」


だって、俺も自分の体に今何が起きているか、さっぱり分からないのだから。


「でも、もしもう一度二人を危険にさらす様なことがあれば、その時は殺してくれ……」


俺が巨大化して破けた服は、リースがスキルで複製してくれた。


「殺せるか! 簡単に殺せるくらいならこんなに頭なんて抱えておらんわ! はぁー、ワイはどうしてこんな奴と組んでもーたかなー」

「……それよりもこれからどうするか考えましょう?」


するとリースは今、俺たちにある問題を提示するが、それは一つしかなかった出入口が塞がれていた事を意味していた。


「どうもこうもないわ! 誰かさんのおかげで誰かが来るまで、ワイらは一生ここから出れへんわ!」

「いや、もしかしたら、そんな事ないかも……」


それに俺は、異論を唱える。


「どういうことや?」

「さっき煙幕が風でどこかに流されるのを見た気がするんだ。つまり、そっちに風の抜け道があるかもしれない」

「ほんまか?」

「ああ」

「なら、もしかしたらどこかに外に通じてる穴があるかもしれへんな?」


ヒューストが淡い期待を抱く中、俺が案内すると、そこには高さ五メートルの所に大人一人通れそうな穴が空いていた。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ