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#14.そばかすロイド

#14.そばかすロイド


町に出かけるのは当然初めてだ。

西洋の様な石で出来た建物が沢山あって、それは壮大で、行き交っている人も波のように多かった。

俺は迷子にならない様にとにかくアザゼルさんについていく。

次回からは一人で行く事になるそうなので、ちゃんと道も覚えておく。

豪快に首を切られた動物の肉が吊るされている店や、花屋の様な八百屋もあったが、アザゼルさんが不足した日用品を選んでいる間に、俺は買った物を乗って来た馬車に運ぶ。

その量はさすがに多く、あんだけでかい屋敷で生活してるんだから、当然かもしれないが、昨日から筋肉痛だ。

しかし、そんな俺を無視して、事件は起きた――。


「アリサ! またゴミでも漁ってるのか? アハハハハ!」


馬車の影からお世辞にも美しいとは言えない、俺と同い年くらいの水色のショートヘアの顔面そばかすの少女が現れたのだ。

少女は、周りの少年たちに馬鹿にされている様だが、雰囲気から察するに少年たちとは知り合いの様だ。


「やーいやーい! このそばかすロイド! これでも食らえ!」


なのに少年たちは容赦なく、少女を罵倒しながら果物を投げつける。

それは形を崩して、果汁をまき散らして、少女に当たるが、俺は少女を見ていると、同じような目に遭っていた自分の事を思い出し、なんだか嫌な気持ちになった。


(だが、今は面倒ごとは御免だ……)


やはりこの世界でもステータスは重要の様だが、少女の目はまだ負で曇っていなかった。

それどころか、そんな事お構いなしに、形の崩れた果物を拾っている。


「アハハハハ! また拾ってるよ! このそばかすロイド! これもくれてやるよ!」


ビシャリ!


それはまるでこの世界のピラミッドも理不尽でしかない事を証明している様だった。

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