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#上策

#上策


パパパパー。

ラッパの音がコロシアムに響き渡る。

続々と決闘者が決闘場に入ってくるが、その数は一人じゃなく、俺を入れて六人だった。

どうやら六人でポイントを争う様だ。

「一対一じゃなかったのか……」

だが、俺は、やけに落ち着いていた。

きっとこれも勇志との決闘のおかげだろう。

決闘場の広さは、半径四十メートル程で、周りの客席には、観客で一杯だったが、俺にはやる気持ちはない。

「リベレラル! ぶっ飛ばせー!」

「負けるなよ! リベレラル!」

「俺は、お前に全財産賭けたぞ!」

そして、周りの観客のボルテージが上がっていく中、コロシアムが始まる。

勿論、一番にリベレラルが狙われた。

三人の男がリベレラルの逃げ道を塞ぐが、前もって打ち合わせしていた様だ。

「今日こそお前に土を付けてやるぜ! 覚悟しな!」

卑怯かもしれないが、そう言うと、三人の男は同時に攻撃を繰り出す。

だが、それをリベレラルは、大きくジャンプして、背後に飛ぶ事でかわす。

そのまま回転する様に三人の足を剣で払った。

「グリーンヒット! ダウン!」

すると豪快に転んだ三人を見て、審判がカウントを取るが、その男たちは、すぐに立ち上がる。

ガキンガキンガキン!

そして、三人は、今度は、バラバラに攻撃を繰り出した。

それをリベレラルは、順番に剣、盾、肩で防ぐ。

「ヒット!」

一点のカウントを取られるが、リベレラルは、続けて、その一人に体当たりをする。

その重さは、その一人の吹っ飛んだ距離を見れば、明らかだ。

「いいぞ! リベレラル!」

「やっぱお前が最強だ!」

リベレラルは、屈強な男三人がかりでも歯が立たないのだ。

勿論、観客のヤジも止まらないが、それとは反対に俺たちは、静かに開戦していた。

「悪いな? 小僧? 弱い奴から狙うのが上策なんでな?」

それはドューダだった。

ドューダがじりじりと俺との間合いを詰める。

勿論、ドューダのパワーは本物だ。

あの重そうな大剣をまともに食らえばただでは済まないだろう。

だが、それは食らえばだ。

ドューダが思いっきり振りかぶった瞬間、俺は、皮一枚でかわして、その隙だらけの足に足を駆ける。

いくらパワーがあるとはいえ、スピードは俺に分があった。

「ヒット! ダウン!」

当然、勢いよくドューダは転がったが、それでドューダに火が付いたみたいだ。

転がるように立ち上がると、すぐに連続でその大剣を振ってくる。

ブンブンブン!

それを俺は、難無くかわすが、そんなの今の俺にとって朝飯前だった。

俺は、この三週間、お世辞にも優れていると言えない環境でリベの攻撃をかわしてきたのだ。

ドューダの力任せの攻撃なんか、止まって見える。

だからそのまま敵の勢いを利用して、胴を一本取ろうとする。

だが、その瞬間、ドューダは笑みを見せた。

「え?」

いきなり目の前に砂が飛んできたのだ。

ドューダは先ほど転んだ拍子に左手で砂を握っていた。

「しまっ――!?」

次の瞬間、俺の視界は、暗闇に閉ざされた。

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