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#バーミリオンの三銃士

#バーミリオンの三銃士


さらに半日過ぎて、朝日と共にバーミリオンの町が見えてきた。

山から見えるその町は、岩で周りを囲い、奥は海と隣接していて、港の様になっていた。

とりあえず俺たちは、ミトさんの家についていく。

「それで何でバーミリオンに来たんだい?」

ミトさんが、コーヒーを出してくれる。

「魔王を倒すため……」

「ふふふ。あんた達グライズ王国の勇者だったんかい? ならこの町では、黙っていた方がいいよ?」

「なぜ?」

「そりゃー他国の勇者が偉そうにしてたら不愉快だろ?」

「はぁ?」

「それにこの国は、グライズ王国と違い民主主義なんだ。つまり、人民に主権があるって事さ」

「へぇー」

それがどういう事かよく分からなかったが、俺は、とりあえず曖昧な返事をする。

「で、魔王には勝てそうなのかい?」

「分かりません……」

俺たちは、先日の魔王との戦いを思い出して暗い顔をする。

「なら強くなるしかないね? でも、それは、ただレベルを上げるって事じゃないよ? 色んな事を経験するって事だ?」

「はぁ……。ミトさんは、英雄パトリオットってご存じですか?」

「勿論。有名人だからね?」

「そのパトリオットさんが、先日、魔王にやられたんですが、それでももう少しだったんです。それでパトリオットさんの師匠の協力を得れないかと思って、今、探してる所なんです」

「ふーん。そんな事があったんだ? でも、それならグライズ王国で情報を集めた方がいいんじゃないか?」

「ですよね……」

「どうやらただバーミリオンに来た訳じゃなさそうだね?」

「……はい」

「ならバーミリオンにも英雄パトリオットと肩を並べると言われる程の勇者たちがいるよ」

「本当ですか?」

「ああ。この町にいるのは、リベレラル。その強さからバーミリオンの三銃士って言われてるよ。この町の中央に決闘場がある。そこに行けば何か分かるよ? ふふふ」

ミトさんが意味深な笑い方をする。

「それで泊る所はあるのかい? 見たところあまり金も持ってなさそうだけど? なんならこの家に厄介になるかい? 私は、旦那が滅多に帰って来ないから歓迎だよ? 掃除洗濯家事を手伝ってくれるならね?」

「お、お願いします」

バーミリオンの事は、よく分からないから、それは、願ってもない話だ。

「それじゃあ、早速、そこのお嬢ちゃん? 洗濯物を手伝ってくれ?」

「アタシ?」

アリサが驚いた顔をする。

「あんたは、昼食の準備だよ?」

「はい!」

フニャールが背筋を伸ばす。

「他の者は、とりあえず、買い出しだ」

そして、俺とリースとムロは、買い物に駆り出されたのだ。

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