表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
13/141

#13.アザゼル

#13.アザゼル


「じぃ! じぃ!」


フレリアが執事を呼ぶ。


「何ですか? フレリア様?」


するとすぐにじぃがやって来た。


「今日からここでお世話になる俊彦さんです。色々教えて差し上げて」

「ハッ! かしこまりました!」


じぃは早速、俺に屋敷を案内する。


「おじさん? それで俺は何をすればいいんだ?」

「俊彦君と言ったね?」

「ああ」

「これから私の事は、アザゼルさんと呼びなさい?」

「はぁ……」

「それと私はリース様やフレリア様と違って、優しくないからな?」

「はい……」

「とりあえず俊彦君は文字は読めるか?」

「文字?」


そう言えば、この世界の文字はどうなっているのだろう?

言葉は通じるみたいだが、もしかして俺の世界とは違い、俺の知らない文字なのだろうか?

そしたら不便だ。

でも、そんな事まだ誰にも話したことないのに、なぜアザゼルさんは気に出来たのだろうか?


「平民で文字を読める者は少ない。もし読めないなら、今日から文字の勉強もしてもらうぞ! この家で働くからには、文字が読めないと大変だからな!」


(なるほど……)


そのまま俺は本が沢山ある部屋に案内されたが、俺は勉強は嫌いじゃなかった。

それに正式に雇われたからには、簡単には弱音は言えない。

そうこうしているうちに一日が終わる。


仕事は、部屋の掃除と、風呂の掃除と、食事の準備だったが、その他にこの世界の文字の勉強もした。

やはりこの世界の文字は、俺の知っている文字じゃなかったが、それを覚えるのはとても大変で、そんな俺に対してアザゼルさんは厳格でしかなかった。


(でも、それでよかった)


なぜなら俺みたいにねじ曲がった人間は、人に優しくされる事に慣れておらず、強く接してくれる人じゃないとその裏を疑ってしまうからだ。

しかし、何でこの屋敷にはアザゼルさんしか男がいないのだろう?

リースの父親に一度も会っていないが、一体何をしている人なのだろうか?


「今日は私と買い出しに行ってもらいます」


それからすぐに俺は、アザゼルさんと馬車で少しかかる町に出かける事になった。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ