#料理
#料理
「追手は来てない様だな?」
俺は、近くで川を見つけ、顔を洗っていた。
外は明るく、太陽は、雲の隙間から顔を出していた。
「ムロ! お腹空いた!」
「アタイもだよ……」
「もう少し我慢しよ? もう一つ山を越えたらバーミリオンだから」
グー。
「……」
だが、リースのお腹は正直である。
「仕方ない。じゃんけんで負けた者が、ファルフの町で食料を買って来よう?」
「じゃんけん?」
「そうか? この世界にはないのか? じゃんけんとは、俺の世界で困ったときに勝負を決める方法さ」
「もしかしてパーチーグーの事かしら?」
「パーチーグー? まぁ、何でもいいや? それで決めよう?」
「ちょっと待って」
その時、突然、アリサがそれを止める。
「どうした?」
「何か美味しそうな匂いがしない?」
「え?」
そこで俺たちは鼻を利かせると、どこからか料理の匂いが漂ってくる。
ゴクリ。
俺たちは、つばを飲み込んだ。
そして、その匂いに誘われるままに進むと、大きな小屋があったのだ。
「失礼しまーす」
俺たちがドアを開けるとそこにはご馳走がズラリ。
「やりー」
それにフニャールが真っ先に飛びつく。
「ムロも食べる!」
続いてムロが飛びかかった。
「だ、駄目よ!」
だが、それをリースが止める。
「な、何で……?」
フニャールとムロはあと一歩で料理を口に運ぶところだった。
「だって、それは人の物じゃない……」
「そ、それはそうだけど……」
ギュルギュルギュルー。
フニャールもムロもお腹は悲鳴を上げている。
ゴクリ。
「違う! これはムロが見つけたの! だからムロの物!」
あれから半日食べていないのだ。
リースの言葉じゃ、ムロは止められそうにない。
そう思った瞬間、背後から声が響いた。
「あんた達! 何やってるんだい!」
それは、年配のおばさんだった。




