#存在意義
#存在意義
俺は何のために生きてるのだろう?
それは言葉で表現すれば、笑うため、幸せになるため、何かに勝つため、色々あるだろう。
でも、それは頭で理解出来ても、ある日、突然、自分の無力さや、虚無感で、心が理解出来ない時がある。
それに一体何の価値があるんだってね?
だから、当然、俺も思う。
俺たちも他の生き物と何ら変わりない、存在する事に特別な意味なんてない、この世界のチリの一つだって事を。
だけど、そこまで分かっていても、俺は、願うのだ。
そのチリの一つの俺が、この世界に存在する事で、何かを食べたり、何かを作ったり、偶然、君に出逢えたり、生きる事で、さらに何かに、誰かに、影響を及ぼしたりする事を。
つまり、俺たちは、生き続ける限り、誰かの心に存在し続ける限り、存在意義があるのではないだろうか?
――母さん。俺は生きる事に何の意味もないと思っていたよ。でも、やっと自分を、自分の人生を、少し好きになれた気がするよ。
「俊彦ォォォォォォォォォォォォッ!」
ドゴーン!
リースの叫び声が響く中、黒い球体は、俺を飲み込むと、空で勢いよく爆発したのだ。
――そして、もしこの世界にそんな存在意義を懸けられる物があるというなら、それはきっと……。
その日、俺は、ようやく死ねたのだ。
――今だろう……。




