表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
116/141

#浅知恵

#浅知恵


「か、体が重くて……う、動けない……」

俺たちは、地面に這いつくばっていた。

「化け物が……」

その中には、パトリオットもいる。

「さて、誰から殺してほしい?」

すると武器を左手に持ち換えた魔王が近づいてくる。

「何でアタイが一番なんだよ……! こ、こっちに来るな……!」

「まずはお前だ!」

そして、魔王がまず、フニャールに止めを刺そうとした瞬間、それを誰かが遮った。

「シャー!」

ムロだ。

どうやらムロは、なぜかは分からないが動ける様だ。

「ほぉー。さすがムロ族。わらわのグラヴィティワールドを無効化出来るのか? だが、ムロ族の娘よ? 敵をはき違えておらぬか?」

「フニャール大丈夫か!」

「ム、ムロ……、あ、ありがとう……。今度体で……」

「俊彦もリースもアリサも大丈夫か!」

「ああ……なんとかな……。だが、このままだと全滅だ……」

「お前らは……どうでもいいか?」

「ワイらはそんな扱いかい……!」

ヒューストや勇志やパトリオットも無事だ。

「ムロ族の娘よ? なぜ人間に味方する? もしやわらわの事が分からぬ訳ではあるまいな?」

「ムロ、お前知らない! 俊彦を傷つける奴! ムロの敵!」

「何があったかは分からぬが、どうやらわらわの事を忘れてしまったみたいだな? なら思い出させてやろう?」

すると魔王がムロに剣を向ける。

それにしてもなぜ魔王は、初めに見せた攻撃を使わないのだろう?

ムロ以外動けないのだ。

きっと一撃だろう。

もしかして……使えないのか?

何で?

「勇志! グランドセイバーだ!」

それは分からないが、なら勝機はある。

「はぁ? 何で?」

「いいから!」

勇志は首を傾げながらグランドセイバーを唱える。

「ヒュースト! 勇志にアクセルだ!」

「よー分からんけど、任せとき!」

そして、ヒューストが勇志にアクセルを唱える。

「アリサ! 勇志にハローワールド!」

「そ、そういう事ね!」

すると次の瞬間、勇志はその場から消えていた。

どこへ?

気が付くと、魔王の頭上、十五メートルの高さに勇志が出現する。

アクセルとグランドセイバー、さらにグラヴィティワールドも相まって、スピードも攻撃力も数倍である。

流石の魔王もこれを食らったらひとたまりもないだろう。

しかも今、魔王は、ムロに気を取られていて、頭がお留守だった。

「いけぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇ!」

俺たちの渾身の一撃が魔王を襲う!

ガキン!

「所詮人間の浅知恵だな?」

だが、そう思った瞬間、魔王は咄嗟にその攻撃を左手の剣で受け止めたのだ。

その重さで、魔王の足が地面にめり込む。

勇志の自慢のプラチナソードが折れるのが見えた。

だが、魔王の剣もひび割れている。

それでもあと少し届かなかったのだ。

終わった。

終わったのだ。

なぜなら勇志はおとりだったのだから……。

「でも、人間は、その浅知恵で前に進んできた生き物なんだ!」

「な、何だと!?」

安堵した魔王が再び頭上を見上げると、勇志の影には、聖剣を握ったパトリオットが隠れていた。

アリサは、二人にハローワールドを使用していたのである。

それでも魔王は、体勢を崩しながらも聖剣を受け流そうとしたが、一歩遅く、そのまま聖剣は、魔王の体のど真ん中を貫いたのだ。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ