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#記憶

#記憶


「ムロも行く!」

ムロはもう寝る時間だと言うのに、なぜか俺から離れようとしなかった。

でも、俺の紋章の情報も、アリサの紋章の情報もあまり公にしたくない。

そこで俺たちは、ムロが寝付くのを待つ事にしたが、それはとても疲れていたようで、すぐだった。

「チョコ……」

ムロは俺の足元で寝ている。

「……起きてるか? ……俊彦?」

「……ああ」

その隙に俺とアリサは、部屋を出る。

外は、ムシムシしていて、月が輝いていた。

「で、何から聞きたい?」

アリサが手帳片手に聞いてくる。

「どうして俺たちにはこんな紋章があるんだ? それにどうしたら変身できる?」

「なるほど……。まず、どうしてアタシたちにこんな紋章があるかだけど、アタシにも分からないわ」

「え?」

「でも、推測することは出来る。それは、アタシたちが望んだからだ」

「どういう事だ?」

「あんた、この異世界に来る途中、誰かに出逢わなかったかい?」

「いや……分からない……」

俺は気が付いたらこの異世界にいた。

だから確かに誰とも会ってないはずだ。

それとも……?

「そうかい……。でも、きっと誰かに会ってるんだ。だからその紋章がある。そして、どうしたら変身できるかだけど、もし元の世界に戻りたいならもう変身するな。なぜなら変身するたびに、多分、アタシたちは、記憶を一つ失うのさ」

「はぁ? でも、それっておかしくないか? もし記憶を失うなら、何でアリサは、失った事が分かるんだ? やっぱりそれも新約神書に書いてあるのか?」

「いや。ただあんただって理解してるはずだ」

「何を?」

「新約神書は常に更新している。だからアタシたちが忘れた情報もいつまでも載ってるとは限らない」

「なら何で?」

「それは――」

「俊彦!」

その時、リースの声が俺たちの間を横切る。

「何だ? まだ寝てなかったのか?」

俺は驚いたが、リースは俺よりも慌てていた。

「そんな事言ってる場合じゃないの! さっき、私が起きたら、ムロちゃんの姿が無くなっていたの!」

「トイレにでも行ったんじゃないか?」

「ううん! 探したけどいなかったわ! それにこれが置いてあったの!」

それは勇志からの手紙だったが、勇志は、俺がいない隙に、ムロを連れ出していたのだ。

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