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「俊彦! チクチクする!」

ムロの頭の上には、麦わら帽子があった。

俺は、耳を隠すためにリースの家に麦わら帽子を取りに戻ったのだ。

「我慢しろ!」

さらにスカーフで首も隠す。

尻尾は当然、ズボンの中に入れた。

これでパッと見ただけじゃ、ムロが猫人族だとは、誰にも分からないだろう。

王都の町は、相変わらず活気があって、真実の日が迫ってるのが嘘の様である。

「勇者様! 今日はうちに泊まらないか!」

「勇者さん! いい薬草が揃ってるよ!」

「勇者殿! 最新式の武器が手に入ったぜ!」

そんな中でも、勇者のエンブレムをしているリースは、注目の的だったが、それも当然だ。

勇者とはそれだけ重要なポジションなのだ。

だが、俺たち以外にも注目されている者はいた。

「おい! 俺様がまけろって言ってるのにまけられないとはどういう事だ!」

「ゆ、勇者様……これ以上まけたらうちも商売あがったりでっせ……」

それは前回以上に立派な鎧に身を包んだ勇志だった。

「そんなの関係あるか! 要はお前たちが本当に俺に感謝してるかどうかだ!」

「はぁ……。分かりました……。なら特別にこのプラチナソード、三百万エンドでお売りしましょう……」

「いや、二百五十万エンドだ。おい、シェリー?」

「はい」

するとシェリーが二百五十万エンド支払う。

「おい。俺様が購入してやったというのに何だその顔は?」

「え? あ? ま、毎度あり……!」

商人が一生懸命笑顔を作るが、それを見て勇志は満足する。

「それでいい。次からは、あまり手間を取らせるなよ」

そして、勇志が買い物を済ませたところで、俺たちと目が合った。

「うん? ゴミ拾いじゃないか?」

俺は、嫌悪な顔をする。

「調子はどうだ? ゴミ拾い? 今日はゴミを漁らなくていいのか? はは」

勇志が嫌味な笑い方をするが、それにフニャールが食いつく。

「何だコイツ? 俊彦の知り合いか?」

「……まぁな」

「ふーん」

「それよりゴミ拾い? 何でお前がここにいるんだ?」

「俺もお前と同じで、真実の日に呼ばれたんだよ」

「はぁ? 俺と同じで? 俺とゴミ拾いが同じ訳ないだろ? 俺は、大事な戦力だが、ゴミ拾いは、せいぜい、敵のおとりになるくらいしか役に立たないんじゃないか? はは」

勇志は、最初から分かっているのだ。

俺たちも国王に呼ばれた事を。

その上で俺を馬鹿にしたいのだ。

「行きましょ……」

そんな中、リースが口を開く。

「俊彦! ゴミ拾いってなんだ?」

ムロは、町の活気に浮かれていた。

「……」

アリサは、じっと勇志を見ている。

「確かにこんな所で油を売っていても仕方ないな……。もう行こう……」

「ちょっと待て! ゴミ拾い!」

だが、それを勇志が止めた。

「まだ何か用があるのか?」

「ああ。前回は、どんなペテンをして、俺の攻撃に耐えたか知らんが、もうそんな小細工は通用しない。真実に日が終わったらもう一度俺と勝負しろ」

「断る」

「に、逃げるのか?」

「ああ。だって、お前と戦ったって、俺に何のメリットもないからな? それなのに命を懸けるなんて馬鹿げてるだろ?」

「ふん! この腰抜けが!」

「じゃあ、そういう事で……」

そう言うと、俺たちは、その場を後にする。

「……どうだった? ……シェリー?」

「はい。俊彦様のステータスは、前回とそんなに変わってない様ですね」

それはシェリーのスキル、プロパティだった。

「やはりそうか」

「ただ」

「ただ?」

「その他の者の事で面白い事が分かりましたよ」

そのシェリーの視線の先には、ムロがいた。

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