#1.ショートケーキ
#1.ショートケーキ
この世界には、クズが多い。
何がクズかって、ほとんどの人が金、ルックス、能力で人を判断する。
吐き気がするほど馬鹿げているが、もう二千年以上続いている日本でそうなのだから、それがこの世界の真実なのだ。
「としひこ! またゴミでも漁ってるのか? 貧乏人は哀れだよな? アハハハハ!」
俺の名前は風間俊彦。
お世辞にもイケメンとは言えない、平均的よりやや細い体格の中学三年生である。
今にも雨が降りそうな今日も、俺はクラスの連中に蔑まれていた。
もう慣れ……いや諦めたと言ったら嘘になるかもしれないが、それも仕方ない。
なぜなら俺んちはド底辺がついてもいいくらい貧乏でもあるからだ。
俺の母はシングルマザーで、俺の父は知り合いの保証人になったため、借金を肩代わりするはめになり、俺の小学校の卒業式の日に家に帰ったら……。
それから母はパートを掛け持ちし、死に物狂いで働いているが、まだ借金は返済できていない。
着る物は貰い物だし、食べる物はほぼ毎日インスタントラーメンかお茶漬けだ。
梅干しなんてついたらご馳走だが、この国では当然水も金がかかるので、もう半年以上風呂にも浸かっていない。
(でも今日は違った……)
俺がいつものようにコンビニのごみ箱から、缶やペットボトルを漁ってから帰宅すると、机の上に一切れの大きなイチゴの乗ったショートケーキが置かれていたのだ。
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