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~第1編~存在しない勇者
まず初めに、ひとつ言わせてもらう…。
俺は勇者にはなれない。だが、本物よりもよっぽど有能な勇者だ。
勇者がなぜ人々に感謝されるか知っているか?
それは、街が危機に瀕している時に助けが入るからだ。
俺はそれが気に食わない。だから俺は勇者を作らせないように勇者になる。
街に危機が訪れる前に、その原因を叩く。
まぁ…。要するに自分の嫌いな勇者を消すために勇者になった存在ってことだ。
『昨日も今日も明日もその次の日もどこかで剣を振るう男。愛する者の為でも世界のためでも無く、自分が嫌だからという理由で勇者へとなった者へ最大限の敬意をここに。』
~存在しない勇者~




