表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
6/23

ダンジョン強化週間


 ペット達とのほほんと暮らして数十日、俺は人間とのコミュニケーションに飢えていた。

 魔境?を支配してからは何もしてないしダンジョンもちょいちょい改造するだけでポイント貯まっていく一方だしどうしようかと悩んでいた時、ラノベでよく見た生産チートなるものをやってみたくなったのだ。


 この有り余るポイントとダンジョンアイテムの召喚を使えば出来ると思うし、正直人間に会ってみたい。

 エルフにドワーフに獣人というファンタジー種族に会ってみたいのだ。


 でも草原を見た感じ近くには人間の住む村なんてなさそうだしこのダンジョンを長く離れるのに不安がある。


 という事で俺が人間を求めて探している間のダンジョンを守る為に強化週間を実施した。


「まずはこのダンジョンに侵入してきた愚か者を足止め、出きれば殲滅出来るような防衛体制が欲しいな」


 誤って入ってきたモンスター迎撃用トラップ……何がないだろうか。

 多分入って来るのってこの魔境?の深い場所、俺のダンジョンの近くに住処を置く凶悪モンスターだろうし、そいつ等が入って来たら俺のペットちゃん達じゃ瞬殺されちゃうだろう。


 俺が甘やかしたせいかこの子たち全く危機感ないし。


「そういえば領域広げたりダンジョンを快適空間に改造しまくったからダンジョンマスターレベル上がってないかな」


龍ダンジョンマスター


____________________

ディアガン 0歳 聖龍 Lv1

ダンジョンマスターLv2


HP23450/23450 MP54320/54320


力S 体S 防S 魔SS 速S 運98


固有スキル

浮遊 聖域 咆哮

ブレス


アクティブスキル

聖魔法Lv1 光魔法Lv1 結界魔法Lv1


パッシブスキル

威圧 状態異常無効 闇魔法ダメージ無効

____________________


「上がってんじゃん!

何か変化はないかな~」


 色々見ていると、召喚出来るモンスターの進化系が召喚出来るようになっていた。


スライムはスライムだけだったけど、ゴブリンはホブゴブリンが、ベビードラゴンはレッサードラゴンが召喚出来るようになっていた。

 あとはダンジョンに設置できる罠の種類が増えてる位だろうか?

 詳しく見てないからわからないがそれよりも強化だ。


「とりあえずレッサードラゴン召喚してみるか」


 ペット達には危ないから離れるように言って、レッサードラゴンを召喚する。

 因みに消費DPは3500。


 魔法陣が現れ、俺より小さいくらい、それでも4m弱ぐらいの赤いウロコに覆われた西洋竜が現れた。


 丸みのある愛嬌ある目に口の端にチョコンと牙が少し見えている。

 四本足に背中の肩の辺りから翼が生えていた。


「キュルルルル~!」


 俺に頬擦りしてくる。

 うむうむ可愛いやつだ!!


「よし、一旦外に出てどれくらいの強さなのか見てみるか」


 俺達二匹は転移で外に出る。

 レッサードラゴンは外に興味津々の様子でキョロキョロと見ている。


「とりあえず中深部でいいかな」


 森の真ん中辺りに移動して狩りに行かせる。

 俺は上空で様子見だ。


 俺が離れた途端にレッサードラゴンは目を鋭くし、牙を剥きグルグルと唸る。

 マップで見ると俺の召喚したレッサードラゴンは青みがかった緑色だ。


 その青緑の点が赤い点に猛スピードで迫る。

 赤い点は逃げるがあっという間に追いつかれ、そして赤い点は消えてしまった。


「マジか……。

早くね?」


 3m程はあろうかという大きな狼の首を加えて俺の方へ飛んでくる。

 これなら……。


「良くやったぞ!!」


 褒めて頭を頬ずりしてあげるとレッサードラゴンはキュルキュルと鳴いて喜んだ。


 とりあえずその狼は受け取りダンジョンボックスにしまって、今度は深部の割と良い雰囲気を醸し出す赤い肌に額に小さな突起が2つある巨人にぶつけてみる。


 この辺りのモンスターは俺に怯えるが逃げたりはしないのでまあまあ根性ある奴等だ。


 そいつに向かってレッサードラゴンがまたも突撃し噛み付きに行く。

 だが巨人は負け時と暴れ、殴打していく。

 それを硬い鱗で防ぎ喉元に牙を食い込ませる。


 負けてなるものかと必死に暴れるが、3分もすると巨人はズシンと倒れこんだ。


「強いな……」


 どうやら巨人は持ち上げられなかったようで、置いてきて俺の方へ飛んでくる。

 キュルキュルと鳴いて何かを待っている雰囲気だ。


「甘えん坊なのか?」


 頭を頬擦りすると愛嬌ある鳴き声をしながら俺の周りをぐるぐると飛ぶ。


 最後は最深部のあいつらだ。


 この最深部の奴らは俺を警戒するが無視するふてぶてしい奴等だ。

 試しに咆哮したら逃げ出したんだけどね。



 真っ黒い体に2つの頭の大きな犬、流石にこいつには飛びつかず警戒して睨み合う。

 膠着状態が続いたが、レッサードラゴンが徐ろに口を開けると、俺のとは割と劣るが炎のブレスを放った。


 相手モンスターはそれを耐えている。


「おぉ~、耐えるのか。

逆に凄いな」


 ブレスが途切れた所で2つの頭が大きく鳴いてレッサードラゴンを怯ませる。


「咆哮まで使うのか。

流石にきついか?」


 俺がそう言うと、レッサードラゴンは雰囲気を更に鋭く放ち翼を広げてモンスターに向かっていく。

 噛みつき引っ掻きと揉みくちゃな戦いだ。

 耐久力は断然レッサードラゴンの方が高いようで、モンスターは次第に弱っていく。


「そこまで!!」


 俺がそう言うと、レッサードラゴンとモンスターは硬直し、レッサードラゴンはモンスターから離れて俺の方へ近寄る。


 どうやらウロコが所々剥がされついて、少し傷ついているようだ。

 ここまで戦えるなら俺は大満足だ。


 2匹にホーリーヒールを放ち傷を回復してやる。

 剥がれた鱗は流石に再生されないが傷は塞がった。


 回復した頭が2つの黒い犬は頭と尻尾を下げて離れていった。


「良くやったぞ~!!

お前に名前を授けてやろう。

今日からレドルだ!」


 そう名付けると、《ネームドモンスターを確認、ダンジョン守護獣になりました》とアナウンスが流れた。


 すると、レドルは光りだし、治まると体が少し大きくなっていた。

 鱗もちゃんと生え揃っているし輝いていて硬度が増してそうだ。


「おおおおお!!

かっこいいじゃないレドル!!

ほれほれ~!!」


 全身に巻き付いて撫で回す。

 レドルは嬉しいようです少し低くなった声でキュルキュルと鳴いた。






 俺とレドルはダンジョンに戻り、思いついた事を試す。


 先ずはダンジョン改装を増やし、新しく作ったフロアを一階層にする。

 ゴゴゴとダンジョンは地鳴りを上げて変化していく。

 スラゴブ達ペット階層の上に新たに階層が出来る。


 その階層を990m広げてちょうど1kmにし、山岳風にセットする。


 DPはまだ50万近くあるからレッサードラゴンを100体召喚した。

 召喚されたレッサードラゴンは色んな色がいた。

 赤はもちろん、青、土色、黄緑、白、黒。

 その他に黄色と群青色が一匹ずついた。

 多く居る色はまあわかるけど黄色と群青はなんだろうか……。


 それぞれのレッサードラゴンは自由に飛び回ったり寝そべったり、俺に群がってきた。


「フフフフ……。

龍らしくドラゴンフロアですよ……グフフフ……」


 この時俺のダンジョンランクが一気にAまで跳ね上がったのを俺はまだ知らない。


「よし!

お前達の先輩を紹介するぞ」


 レドルを召喚すると、レッサードラゴンがレドルに対して平伏した。


「何故!?」


 俺はダンジョンマスターなのに!!


「……まあ上手くやってくれるならそれで良いか……。

レドル、このレッサードラゴン達はお前の部下だ。

ちゃんと纏めてこのダンジョンを守ってくれよ!」


 とりあえずは防衛用フロアは完成した。


 その後数日で一階層の環境をレッサードラゴン達の為にこだわりまくって整え防衛体制が整った。

 ダンジョン守護獣であるレドルには立派な塒を用意してあげた。


「これで俺は人を求めて旅が出来るぞ!

グフフフフ……、俺の無双が始まる……」


 だらしなく妄想をするのだった。



評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ