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意外とイケる……?


 ダンジョンに戻って始めてのスキルの把握と魔法の練習だ。

 あの凶悪な魔物と対峙するには必要な力だ。


「改めてステータス確認だな。

自分が龍であることのショックがでかくてあんまり確認出来なかったからな……」


____________________

ディアガン 0歳 聖龍 Lv1

ダンジョンマスターLv1


HP23450/23450 MP54320/54320


力S 体S 防S 魔SS 速S 運98


固有スキル

浮遊 聖域 咆哮

ブレス


アクティブスキル

聖魔法Lv1 光魔法Lv1 結界魔法Lv1


パッシブスキル

威圧 状態異常無効 闇魔法ダメージ無効

____________________


「浮遊ってのは今現在進行形で浮いてるからまあ良いとして、聖域ってなんだ?

聖龍だからなんか神聖な領域を纏ってるとか?」


 実はこの聖域は大きな効果を持っていた。

 ディアガンの体から聖なる気配が永続的に放たれていて、空気を清浄化し、瘴気をも浄化する。

 アンデッドは近寄る事すら出来なくなり、中位であってもこの聖域によって即座に消滅してしまう。

 悪しき存在、悪しき心もこの聖域に阻まれ近づく事が難しくなっていて、敵意あるもの、魔物を遠ざける効果もある。

 また自分には効果はないが清らかな者を若干ではあるが回復する効果がある。

 この固有スキルはレベル依存で、レベルが上がれば上がるほど効果は強くなっていく。

 まだレベル1な為、あまり効果を実感できない。


「咆哮は威嚇に使えそうだな。

どれ、いっちょ試しにやってみるか」


 咆哮を意識して息を吸い込み、大きな声を出す。


「グゥルアアアアアアアアア!!」


 俺の口から放たれた咆哮はこのダンジョンを振動させる程に大きく、ダンジョンの外にも響いていた。


「ふむ。

結構いいな。

これであのモンスターが怯めば良いんだけど……」


 既にその咆哮によってダンジョン周辺に居たモンスターはただならぬ気配を察知して離れていた。


「MPが2000以上も減ってる。

結構消費激しいな……。

次はブレスを試してみるか」


 ブレスを意識すると、不思議な力が口に集まっているのを感じた。

 口を開け、それを吐き出す感じで放ってみると、真っ白な眩い光が勢い良く口から噴射され、一瞬にして自分がいるフロアが眩い光に照らされて、ダンジョンの壁に激突し、凄まじい音を響かせながらダンジョンを大きく揺らす。


 吐き出しながらステータスを見ると、MPがぐんぐん減っていた。

 慌てて口を閉じブレスを辞める。

 ダンジョンの壁は大きく深く抉れていたが、ダンジョンの機能なのか自動的に修復する。


「今ので1万以上MP使ったぞ。

燃費悪いな。

その分威力は馬鹿にならないけど、必殺技って所か。

次はいよいよ魔法だな。

この魔法を見ると勇者として生まれたかったな」


 人間の姿のイケメンな自分が聖魔法で魔族とか魔物とかをバッタバッタとなぎ倒して無双する姿を妄想してニヤける。

 役30分ほど妄想し、魔王を倒して世界を救ったところで現実に戻る。


「定番は一緒に旅をしてきた僧侶ちゃん盗賊ちゃんが俺を巡ってガチ喧嘩初めて颯爽と俺がそれを止めて……グフフフ

よし、先ずは聖魔法からだ!

え~っと、どうしたらいいんだ?

スキルレベルが1だから何ができるかわからんし……、定番のヒールとか?」


 実は聖魔法は光魔法の上位互換で、技も半分程は被っていたりする。

 もちろん聖魔法の方が高い効果を発揮するのだが。


 例えばライトヒールとホーリーヒール。

 どちらも同じヒールで回復魔法なのだが、ライトヒールは傷を癒やす程度の力に対し、ホーリーヒールは傷を癒やし汚れ、穢を祓う効果がある。

 ライトヒールはアンデッドに行使しても、アンデッドを本当に回復させてしまうだけだが、ホーリーヒールはアンデッドに対して浄化を齎す。

 つまりアンデッドに有効な攻撃手段になる。

 ライトアローもただの光熱の矢に対し、ホーリーアローは破邪の矢である。


 ただ光魔法が下位互換だからといって使えないわけではない。

 光の特性を操る魔法は強大な力を持つ技が多い。


 閑話休題


 それを知らない俺は闇雲に聖魔法を試していた。


「ホーリーボール!!」


 白く淡く光り、温かな波動を放つボールが出来た。

 出来たからと言ってあたりを照らすだけで、壁に向かって射出してもボフンと消えてしまうだけだ。


「ホーリーアロー!!」


 これもホーリーボール同様、壁に突き刺さったかの様に見えるが壁に傷なんてない。


 これに俺は落胆していた。

 唯一使えるのがヒールだけかと。


「気を取り直して光魔法やるか。

こっちはちゃんと攻撃になってくれよ……。

ライト!!」


 まあこれはただ単に辺りを照らす光の玉だな。


「ライトボール!!」


 光の玉が出来るが、さっきのただのライトより熱を若干感じる。

 ホーリーボールの優しい温かな感じじゃなくて、皮膚を燃やすようなちりちりとした熱だ。


 壁に射出すると、ジュッという音がして壁が溶解する。


「お!結構使えるじゃん」


 本来ライトボールにそこまでの熱量は無い。

 なら何故溶解したかというと、魔法適性の高さにある。

 ステータスの魔SSが魔法の威力を半端無く底上げしているのだ。


 ライトアローも同様に熱を感じ、壁に向かって射出すると、壁を奥深くまで溶解してしまった。

 これなら攻撃になるだろうと満足する。

 この熱だが、相当高温になっているが龍の鱗が殆ど熱を遮熱している為、俺自身はほんの僅かに熱いなと感じているだけなのである。


「最後に結界だな。

イメージ的には敵を囲み閉じ込めたり仲間を囲って敵の攻撃から守るって感じかな。

まあいつか人里に降りて魔法得意な人に教えてもらうか」


 とりあえず目の前に結界を施して見ると、半透明の四角い結界が出来た。


「なるほど、白っぽい半透明な感じで出来るのね」


 その結界に向かって体当たりをすると、ドガッと重い音が響くだけでそのままそこに佇んでいる。


 魔SSで作った結界は純粋な力だけの力Sでは破壊する事は出来なかった。


「よし!!

これならイケるかもしれないな!!」


 すでにこの魔境を支配できる力を持っていると俺は自覚していなかった。




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