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諸王国会議(1)


 あれから注目度は上がったけど特に問題なく、今回の諸王国会議の開催国であるリールムル王国の王都へ到着した。

 俺達は今、要人用の入場門に並んでいる。


 要人という事でここに並んでるのは今回の会議の出席者達であり、ダンジョンマスターもいるというわけだ。

 そして、そいつ等は俺達を見てヒソヒソと小声で話している。


「聖龍様はやっぱり目立ちますね」


 アハハと笑ってそう言う王様をジトッと見てしまった。


「はぁ~、目立ちたのは目立ちたいけどこういう目立ち方は居心地悪いから嫌なんだよな~」


 さっさと会議に参加して、貰うもん貰ってヒノモト皇国のダンジョンマスターさんと交流して帰りたい。

 保護した子達はなんか萎縮しちゃっているというか、この状況に戸惑ってるし面倒臭い。


 列が進み、俺達の番となった。


「ルーロン王国様ですね。

コチラのドラゴンは……?」


「我が国で出現したダンジョンのマスターだ。

今回この会議の場を借りて発表しようと思って一緒に来てもらった。

問題はあるか?」


「い、いえ!!

それではダンジョンマスター様のお名前と種族をお願いします!!」


 豪華な甲冑に身を包んだ騎士は緊張した面持ちで俺に尋ねる。


「デュアガンだ。

種族っていうのはそれらしいのは聖龍と書いてあるが、その場合もドラゴン族って名乗ったほうがいいか?」


 俺の答えに騎士とやり取りを見守っていた後ろの要人達が目を見開いて驚愕している。


「あの……、そちらの子供達は……」


「ああ、この子達はここに来る途中で出会ってね。

誘拐された違法の奴隷と言うやつらしいから保護をした。

何か問題でも?」


「い、いえ!

問題はありません!!

どうぞ御通りください!!」


 門を抜けると王城までの一本道があって、住人達は横の歩道に集まって見物していた。

 何処の国の王様でどんなダンジョンマスターが居るのかひと目見ようと集まって来てんるのだ。


 俺達が入ると俺の姿に見物人達は騒然とした。


「なんと言うか、反応に困るリアクションされると少しストレスを感じる」


「アハハ、もう城は目の前ですし後少しの辛抱ですよ。

城に付けばゆっくり出来ましょう」


「そうだね。

さっさと城に行って休もう。

もう疲れた……。

あ、この子達はどうしようか?」


「そうですね、このまま私達で保護をし、ガヴォル大獣国の方達に事情を話して引き渡しましょう」


「そうだな。

この子達も自分たちの国、家族のもとで暮らしたほうが良いだろう」


 王城の門の前で出迎えの騎士にまた驚かれ辟易としながら迎賓館の用意された部屋に案内され、一息ついた。

 ここは特別な迎賓館のようで、大型のダンジョンマスターにも対応できる大きな部屋がいくつもあるのだと言う。

 子供達を俺の部屋で保護しておやつを与えのんびり過ごしていると、若いメイドさんが部屋にやってきた。


「私、皆様の身の回りの世話を仰せつかりましたエデルと申します。

何かございましたら何なりとお申し付けください」


 オーソドックスな黒いロングドレスに白いフリフリのついたエプロンをしている、気品さを感じさせるメイドさんだ。

 俺を見ても物怖じしない堂々とした立ち振舞は好感を持てる。


「今回参加している高ランクダンジョンのマスターがどんなのか教えてもらっていい?」


「畏まりました。

今回参加している高ランクのダンジョンマスター様はヒノモト皇国様にありますSSSランクダンジョンマスターでデミゴッドのミカゲ様。

ロールテン大帝国様にありますSSSランクダンジョンマスターで魔王のヴァルス様。

我が国のSSランクダンジョンマスターでグリフォンのギャゾ様。

大獣国様にありますSSランクダンジョンマスターでライカンスロープのべルッソ様。

デッゾ王国様にありますSSダンジョンマスターでヴァンパイアのグイメル様。

Sランクダンジョンマスター様が巨人のファメル様、アラクネのメリンダ様、ウィッチのボディア様、スライムのメイ様、ハーピーのノイ様、ドワーフのミライ様が今回参加します高ランクのダンジョンマスター様方でございます」


 高ランクだけでも結構居るなという印象だ。

 さらにA~Gのダンジョンを合わせたら一体どれくらい居るのやら。

 この中に俺みたいな地球から転生した奴とか居たらいいんなと少し期待する。


「ありがとう。

今日はこのあと何か予定はあるの?」


「3日後に各国の要人とダンジョンマスター様を交えた宴が催され、その次の日から諸王国会議となります」


「わかった。

何かあったら言って。

俺はここで休んでるから」


「畏まりました」


 エデルは壁際に立ち佇む。

 特に気にすることも無いから俺は無視してふかふかの大きなベッドに寝っ転がる。


「あ、あの……」


 俺がウトウトしていると、獣人の女の子が話しかけてきた。


「私達を助けてくれたありがとうございます……。

数々の無礼スミマセンでした……」


 耳をペタンと垂らし尻尾を股に挟んで震えながらも勇気を持ってそういう女の子。

 ドラゴンというこの世界では上位に入る存在で、更に幼い頃から聞いてきた昔話に出てくる伝説の聖龍とは知らずに助けてもらったことに恐縮しているようだ。


「別に気にすることはない。

俺がそうしたかったからしただけだ。

もう少しでお家に帰れるだろうからそれまではここでおとなしくしてて欲しい。

そうしたらさっきあげたオヤツをまたあげよう」


「あ、ありがとうございます!!

私はミーシャと申します!

その……、私に出来ることがあったら何でも言ってください!!」


「ミーシャね。

俺はディアガン。

気軽にディアガンでもディーとでも呼んでくれていい。

今日いろいろあって疲れただろう。

このベッドを使っていいから皆休ませてあげな」


 そう言って俺は中に浮かびリラックス体勢になった。

 ミーシャは何か言いたそうにモジモジしていたが、言うとおりに他の子供達を大きなベッドに休ませて、自身もふかふかなベッドに驚きつつ堪能しいつの間には眠りに入った。


 俺はそれを見届けゆっくりと瞼を閉じる。

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