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はじまり

街灯が照らす夜の道を二人の高校生が自転車で通り過ぎていく。

一人は金髪の男、藤谷 奏多(ふじがやかなた)。制服のワイシャツのボタンを開け、ネクタイはほどかれ首にかかっている。

「おい、おせぇぞ。早く行こうぜ」

「まってよぉ」

後ろを向いて、黒い瞳を細め数メートル離れているもう一人に声をかける。

後ろに続くのは、真っ黒な髪を首の中ほどまで伸ばした男の子、

紅沢薫(こうさわかおる)

しっかりとネクタイを締めセーターを羽織っている。

「そんなんだから、女に間違えられるんだよ。髪くらい切ったらどうだ?」

「そんなこと、言われてもぉ」

その長い髪の毛と女の子っぽい雰囲気により、薫はよく女子だと思われる。

中学入ってからは制服で学校で間違われることは少ないが、小学校の時は授業参観で男子トイレに入ろうとすると止められることもあった。

二人は部活バスケットボールが終わって家に帰っているところだ。

奏多がもう一度声をかけようと振り返った時、薫は路地裏をじっと見つめていた。

「どうしんだ?」

自転車をまわして同じ路地裏を見つめる。

「あそこ、光ってる」

薫が指差した方を見ると確かに淡い青色に路地裏が光っている。

「お、おい」

路地裏に向かって歩きだした奏多をあわてて追いかける。

「なんなんだこれ」

地面が微かに青く輝いている。

上に向かって弱い風が吹いている。

「なんか、亀裂みたいだな」

二人がその光を覗いた瞬間、光は一気に膨張し二人は飲み込まれた。

(うわぁぁぁぁぁぁ)

異空間を落ちながら薫は声にならない叫びをあげていた。

平衡感覚は狂っていてとても気持ち悪い。

数分後薫は大空に放り出された。

「え?」

薫の口から言葉がこぼれる。

(しぬんじゃない?)

「やだあああああああ」

今度は声に出して大声で叫ぶ。

(汝ノ願イ叶エヨウ)

すると、頭に中に声が響いた。

「え?」

またも声がこぼれた。

空に浮いていた。

背中には、龍の翼が生えている。

(なんで俺がお前なんかと)

もう一度、頭の中に声が響いた。

「ど、ど、どういうこと?」

(はぁ、お前は俺と契約したんだ)

「は、はぁ」

こうやって、薫の異世界冒険ははじまるにだった。




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