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俺のツンデレ妹は嫉妬深い  作者: Iliya
プロローグ〜俺の妹がこうなったわけ〜
8/14

第8話〜素直になって〜後編

遅くなって申し訳ありませんっ。

実は、終わらない夏休みの宿題地獄にはまっていまして・・・。

まあ、100%私が悪いんですけどね。

そう言えば、私は最初から結愛の髪の色は水色のつもりだったのですが、第1話ではしっかり「青髪」と書いてしまっていました。(ちなみに現時点ではすでに改稿済みです)。

それと、頂いた感想を読んでいたのですが、皆さん水色の髪の色のキャラに違和感を覚えているようでしたね。「水色の髪の色のキャラなって想像できないっ」という方は、入間人間先生原作/イラスト ブリキ先生のライトノベル「電波女と青春男」のヒロイン「藤和エリオ」というキャラをググってみてください。結愛のモデルはほぼこのエリオちゃんです。可愛いですよねっ!・・・パクリじゃないからねっ!?

すっかりお互いの誤解がなくなった俺たちは、夕食後、「いつもやってもらってばっかじゃ悪いし、今日は私がお皿を洗うよっ、だからお兄ちゃんは早めにお風呂に入っちゃってっ」と言ってくれた結愛に甘え、いつもより早くお風呂に浸かっていた。


「んんっ、あぁ〜〜〜〜〜」


体を一通り流した後、湯船に入ると、ザブゥン、という豪快な音とともにお湯が勢いよく流れていく。

それとともに、ちょうどいい熱さのお湯が俺の全身を包み込んでくる。

ああ・・・なんか今日1日の疲れが全部お湯に溶けていくようだ・・・。

最近は全ての家事を終わらせた後にお風呂に入っていたため、入浴時間が夜遅くになってしまい、なかなかゆっくりできていなかったから余計体に熱いお湯が染み込んでくる感じがする・・・。

ってそういえば、結愛より前にお風呂に入るのって本当に久しぶりかもしれない。

最初はいつも部活で疲れて帰ってくる結愛には、せめて一番風呂を浴びせてやりたいという軽い気持ちで最初を譲っていたが、もうそれはすっかり我が家の「当たり前」になっていた。

昔から結愛のため、結愛のためと生活していたからか、気づくと俺の生活の中心には必ず結愛がいるようになっていた。

まあ、その生活には全くもって不満はないのだが、そのせいか俺には趣味と呼べるものが全くなかった。強いて言うなら家事くらいかな?

だから、今日のことは結愛に嫌われたのではないかとかなり不安に駆られていたが、結局は明日香の言う通り少し行き過ぎた照れ隠しだったようで本当に安心したものだ・・・。

・・・まあ、本当に行き過ぎだとは思うが。

と考えているとき、脱衣所の方でガサゴソと音が聞こえてきた。

ん、結愛か?でも脱衣所で何を・・・?

はっ!? まさか結愛、風呂に入ってくるのか!?

俺はそう思った瞬間、さっと身構える。

数年前までは結愛の頑固なわがままでしぶしぶ一緒にお風呂に入っていたが、最近はこっちが色々と我慢できなくなってきたので、なんとか結愛には諦めてもらっていたのだが・・・。


「?結愛、いるのか?」


俺は自然とその名を呼んで確かめる。


「いるよ〜・・・よしっ、お兄ちゃんのっ、お兄ちゃんの着替え、ここに置いとくねっ」


「!あ、ああ、ありがとう」


なんだ、考えすぎか・・・。そうだよな、さすがにこの年になって兄妹で風呂ってーー。


「よいしょっと、ふふんっ、お邪魔するね、お兄ちゃんっ」


が、結愛のブラコン度はそこまで浅くなく、俺の安堵をあっさりと裏切った結愛がガチャっと風呂場のドアを開け中へと入ってきた。


「久しぶりだねっ、こうやってお兄ちゃんと2人でお風呂に入るなんてっ」


「なっ、なななんで入ってきたっ!?てかバスタオルぐらい巻けっ!?」


そう、結愛は風呂場に生まれたままの姿で入ってきたのだ。

俺はとっさに目をそらそうとするものの、あまりの怒涛な展開に体が動かない。

気づけば、妹である結愛の裸を凝視してしまっていた。

しっかりお手入れされているサラサラの水色の髪は何度見ても美しいし、少し小柄な結愛に合うほどの控えめな胸、その真ん中には薄ピンク色のーーっ、そしてすらりと伸びた足にくびれたお腹、そしてその下のーーっ!

あああぁぁぁぁーーーーーー!!?


「///ちょっとお兄ちゃんっ、そんなに見られたら流石に私も、はづかしいようぅ・・・っ」


ハッと気付いた時にはもう遅く、結愛はその可愛い顔を羞恥で赤く染めていた。


「ごっ、ごめん!ちょっと見ーーいや、なんでもない・・・」


妹相手に見てれていたとは言えない俺だった。


ーーーーーーーーーーーーーーーーーーー


「はあぁ、やっぱり気持ちいいね、お風呂は・・・」


結愛が俺にもたれかかりながらそう呟く。

現在、俺と結愛は一緒にお風呂に入っている。最初は一緒に入ることを拒否してたものの、結愛が「今日だけ特別っ!」と真剣にお願いしてきたので、結愛に甘い俺が折れてしまったのだ。

ちなみに湯船は2人入るには狭いので、お互い向き合って入るのではなく(というかそれでは俺が恥ずかしいので)俺の足の間に、結愛が俺に背を向けて体操座りをしながら入浴をしている。


「っ・・・・・・」


「・・・・・・」


やはり結愛も少し恥ずかしいのか、俺と同様無言を貫いている。


・・・何分くらい経っただろうか。少しのぼせてきたかも・・・と思った瞬間、唐突に結愛が口を開いた。


「ねえ、お兄ちゃん、私って変なのかな?」


「・・・いきなりどうしたんだ?」


結愛が少し悲しそうな顔でその後の言葉を紡ぐ。


「・・・お兄ちゃんはさ、私のこと、好き?」


「ん?もちろん好きだよ、結愛のこと」


こればかりは隠す必要もないので俺は正直にそう告白する。


「んっ、嬉しい♪・・・でもそれって、どういう好き?」


「どうって、もちろん・・・家族としてだよ」


少し間があったのはなぜか、自分でもわからない。でも、「家族として」という言葉になぜか少し違和感を覚えてしまったのは、確かだった。


「そう・・・だよね・・・。・・・でもね、お兄ちゃん」


そういうと結愛は俺の方に体ごと向き直してくる。


「ちょっtーー」


「お願いっ、ちゃんと聞いて欲しいから、目っ、逸らさないで・・・」


結愛はいまにも消えてしまいそうな声でそう言った。


「あのね、私もお兄ちゃんが好き、大好き・・・でも、私はお兄ちゃんの好きとは違うの。私はっ・・・お兄ちゃんが、1人の男の人として好きなの・・・。いつも私のことを考えてくれるところだったり、辛い時にずっと一緒にいてくれるところも、当然、お兄ちゃんののかっこいいお顔も、筋肉のついた男らしい体も、全部が好きなの・・・・・・こんな私ってっ・・・やっぱり変なのかな・・・?」


それは、唐突な結愛の告白だった。

結愛はいまにも泣き出しそうな不安に駆られたような表情で、俺のことをずっと見つめている。

・・・・・・きっと、この告白をするまでに、様々な葛藤があったのだろう。本当にこの気持ちを伝えてもいいのか。兄妹なのに、こんなことを言ってしまっていいのか。

こんなことを言って、俺に嫌われてしまうのではないか。

でも結愛は、様々な葛藤の末、その言葉を告白してくれた。まあ、今日は色々あったから、その勢いに乗ってやけくそになって告白してくれたのかもしれない。

しかしどっちにしろ、その言葉に対し、俺は答えなければならない。

正直な気持ちを。

俺はすぅっ、息を吸うと改めて結愛に向きなおる。


「・・・結愛、ごめん。正直、その言葉にどう答えてやればいいか、俺はまだわからない。いや、兄妹という立場から見れば、結愛の気持ちは間違っているんだと思う」


そのまま、言葉を続ける。今度は、自分の思いを伝えるために。


「でも、いま結愛にそう言われて・・・なんだか、すごく嬉しかった。結愛がそう思ってくれてたことが、すごく嬉しかった」


「っ!・・・それって・・・」


「でも、だからって俺たちは義理とは言えど、兄妹だ。その関係を壊してはいけない・・・・・・ごめんな、こんなヘッポコな答えで・・・でもとにかく、その気持ちは嬉しいし、俺もまんざらではないっていうかっ・・・」


「っ!そ、そっか・・・」


結愛は、今の言葉を聞いてどう思ったのだろうか。

しばらく、結愛の言葉を待ってみる。

と、今まで神妙な顔つきだった結愛が急に顔を上げ、


「・・・ってことは、お兄ちゃんさえ納得させちゃえばいいってこと?」


「は?」


あまりの斜め上の言葉に素っ頓狂な声を出してしまう。


「だってだってっ、お兄ちゃんはさ、私の告白まんざらでもなかったんでしょ!?でも、お兄ちゃんは兄妹っていう大きな壁があるからそういう関係になるのは無理って言った。だから逆に考えて、お兄ちゃんが兄妹って壁がどうでもよくなるほど私のことが好きになればいいってことでしょっ!?つまり、私がお兄ちゃんを誘惑して、お兄ちゃんを落とせばいいんだねっ!?」


「・・・・・・」


この際結愛の諦めの悪さはいいとして、なんなんだそのポジティブシンキングは!?

が、俺の意思とは裏腹に結愛はそうと決まればっと、なにやらブツブツと1人考え事を始めた。


・・・・・・ああ、そうか、そういうことだったのか。

今更ながら、気づいてしまった。

今日の朝、結愛が俺にいきなり暴言を放った理由。

結愛はあの瞬間、頭が真っ白になったと言っていた。

つまり素直になれなかったということ。

本当は好きなのに、いざという時には素直になれず、暴言まで吐いてしまう。

アニメとか漫画とかだけの存在かと思っていたが。

どうやら、結愛は典型的なツンデレを発症してしまったらしい。

しかし、家の中では素直に甘えてくるので、正確に言えば、外限定のツンデレ。

どうやらすごい個性が誕生してしまったっぽいな。

・・・って待てよ、ツンデレって、他の子よりーー。


「そう言えばお兄ちゃんっ」


「んっ、なんだっ?」


俺の考えを遮るかのように結愛が声をかけてくる。


「お兄ちゃんが私のために作ってくれたお弁当って、あのあとどうしちゃったの?まだあるんだったら、私頑張って食べるよ!食材に悪いし、何よりお兄ちゃんが愛情いっぱいで作ってくれたものだしねっ!」


「いや・・・・・・あの弁当は・・・」

・・・・・・言えない。そんなに嬉しそうな顔をしている結愛にはなおさら言えないっ!そのお弁当を女友達にあげたなんてっ!だってツンデレって俺の知識ではーー。


「?どうしたの?」


結愛が探るように俺の顔を覗いてくる。

その刹那、今まであんなににこやかだった結愛の顔が一瞬に相手曇り、


「・・・まさか、他の人に食べさせたりはしてないよね・・・よりにもよって女とか・・・」


ええーーーー!!なんでバレたしっ!?


その言葉を声には出さないものの、、分かりやすく動揺が顔に出てしまう。


「ふーーーん・・・そうなんだ・・・お兄ちゃんが私のために作ってくれた愛情たっぷりのお弁当・・・他の女にあげたんだ・・・」


ヤバい・・・これヤバい・・・俺ッ!!

と思った瞬間、いきなり結愛がガバッと俺に抱きついてきた。


「ちょっ、ちょっとっ!?結愛っ!?何してーー」


いきなりの感触に本日何度目かわからない動揺が俺を襲う。

まだ小さいものの、しっかりと俺の胸板には結愛のむっ、胸がっ、ぷにゅってーーっ!!?

てか柔らかっ!!女の子ってこんなに柔らかいの!?てかすごいいい匂いするしっ!?

すると、結愛は俺の動揺を上回る声で、


「ヤダヤダヤダヤダッ、やなのっ!お兄ちゃんは私のなのにっ、いまもこれからも私のものなのにっ、他の女にお弁当をあげるとか、立派な浮気なのっ!!」


と、結愛は小学生ばりのイヤイヤを発揮して俺により一層抱きついてくる。

その直後、結愛の目が妖しく光ったーーような気がした。


「これはお仕置きが必要みたいだねっ・・・」


「おっ、お仕置きっ?・・・」


どう考えても嫌な予感しかしない。


「そうっ、こうやってーーっ」


そう言って結愛は俺の首筋に唇をあてがうと、思いっきりチュゥッ、と吸ってくる。

こ、これってまさかのーー!?


「ーーーーーーーっ!よしっ、これでおっけぇ・・・」


俺が混乱していると、結愛は満足げに俺の首から唇を外し、


「お兄ちゃんが私のだって印・・・キスマーク♪ ・・・つけといたからっ。これからは、浮気しちゃダメだぞっ!」


火照った顔で満足そうにそう言ってきた。

そうだよ、俺の知識が正しければ、ツンデレっていうのは、わがままで自分勝手で、人一倍嫉妬深い性格じゃないか・・・!












無理矢理感がすごいですが、一応プロローグ的な部分は終わりました。

次の章からは、計画的に投稿して行きたいと思っておるので、詳しくは、私の「活動報告」をご覧ください。

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