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俺のツンデレ妹は嫉妬深い  作者: Iliya
第1章〜嫉妬とガチ誘惑、ときにツンデレ〜
11/14

第11話〜静かに燃える嫉妬心〜

前回修羅場と書きましたが、実際はそこまでです。

すみません・・・。

それと今回は短めです。

二度目のすみません・・・。

・・・一応、今の状況を整理しておこうと思う。

俺は今日、珍しく部活の朝練がなかった結愛と一緒に学校へと向かっていた。

その道中、結愛は俺が絆創膏を首元にしていることに気づいた。

それは昨日の夜、お風呂で結愛につけられたキスマークを隠すためのものだった。

その時、結愛は唐突に俺の首元の絆創膏をとってきた。

何するんだ?と問うと結愛は「お兄ちゃんは私のものだから別に隠さなくても問題ない」といった。

そして今、その答えに対し俺が色々な反論をしているところだった。


「あれ?悠真っ?」


正確には、あの声が聞こえるまで。

声のした方向へ振り向くと、予想通り明日香が手を振りながらこちらに走ってきていた。

その瞬間、さっきまで俺と口論していた結愛の顔が黒く染まっていく。と共に、俺の手をギュッと握りしめた。どうやら何かを感じたのだろう、結愛は走って来る明日香を完全に警戒していた。

・・・って、やばいやばいやばいっ!冷静に結愛の分析をしてる場合じゃなかったっ!?今来られたら高確率でキスマークがバレちゃうじゃん!

俺は慌てながらも、必死にカバンの中を探る。

なにかっ、何かないのかっ!?キスマークを隠せるいい道具がっ!?

俺はバックの中を確認して行く。

筆箱、弁当、水筒、今日の分の課題、スマホ、財布、ティッシュ、ハンカチーー。

と、そこまで見つけたところで手を止める。

そうかっ、これだっ!

俺は急いでカバンからハンカチを取り出すと、急いで首元にあてがった。


「おはよう、悠真。やっぱり今日もこの時間なんだね・・・って、どうしたの?首にハンカチ当ててるけど?」


「いっ、いや・・・ちょっと汗かいちゃって・・・アハハハ、暑いな〜」


「そう、まだ寒いと思うけど?」


不思議そうに首をかしげる明日香。そりゃそうだ。季節は春とはいえ、まだ時期的には肌寒い日が続いている。だがこれでいい。とりあえずその場凌ぎでもいいからここを乗り切らなければっ!

俺は首を隠しながらも、怪しまれないように汗を拭く動作もちょいちょい入れて紛らわせる。


「あははっ、悠真って汗かきだったっけ?・・・ん?・・・その子って・・・」


その時、俺の後ろに隠れていた結愛に明日香が気づいたようだった。

結愛は完全に明日香を「敵」だと思っているみたいだけど、ちゃんと紹介はしておかないとな。


「ああ、こいつは俺の妹の結愛。学年は俺たちの一個下だから」


「そうだったんだっ、初めまして結愛ちゃん。私、あなたのお兄さんのクラスメートで、夢川明日香って言います。よろしくね」


明日香はニコニコな笑顔で結愛にそう話しかける。

しかし、当の結愛は、


「・・・・・・っ」


顔を横にそらし、目を合わせないようにうつむいていた。

その代わりに、結愛は一層強い力で俺の手を握ってきていた。


「・・・ああ、ごめんな、こいつ普段は社交的なんだけど、ちょっと今日はテンション低いみたいで・・・」


結愛の機嫌が悪くなった理由は明白なので、明日香には悪いがここはなんとなく流しておく。


「そ、そうなんだ・・・。でもまあ、別にすぐに仲良くなれなくても、これから仲良くなればいいもんねっ!」


明日香は一瞬落ち込んだような顔をしたが、その後すぐに元気な表情を取り戻した。


「誰がお前なんかとっ・・・」


そんな結愛の毒のある言葉は、どうやら明日香には届いていなかったようだった。


「で、どうする?ここで会ったんだし、一緒に学校まで行くか?」


「うんっ、もちろんそうするよっ!」


とりあえず早く学校に向かわなければ遅刻してしまうので、明日香にそう尋ねると、快い返事をしてくれた。


「よし、じゃあ行くか・・・っと、結愛?」


再び学校に歩き出した俺たちだったが、結愛はその場から一歩も動こうとはしなかった。


「あれ?どうしたの結愛ちゃん?・・・てゆうか、どうして2人は手を繋いでるの?」


そう聞き、疑問符を浮かべる明日香。

さっきまでは明日香には見えないように手を繋いでいたが、俺たちの距離が離れたため、その事実が明日香にバレてしまったのだ。

突然の指摘に俺はあたふたしてしまう。


「いや・・・これはっそのーーー」


「私たちが手を繋いでたら、何かおかしいですかっ?」


しかしその時、はっきりとした声でそう反論したのは結愛だった。

さっきまでとの姿からの豹変ぶりに驚く明日香。


「! いやっ、別におかしいってゆうか、普通の兄妹とはどこか違うな・・・て思ったぐらいだけど・・・」


「周りの人なんてどうでもいいんですっ、これが私とお兄ちゃんとの普通なんです。何も知らない他人が口を出さないでください」


強い口調でそう言い放った結愛は、さっきまで握っていた手を一旦離し、また再び手を握ってきた。しかし、その握り方はさっきとは違い手のひら同士を絡ませる、俗に言う「恋人つなぎ」と言うものだった。


「それと、今日は久々のお兄ちゃんとの登校なんです。邪魔しないでください・・・じゃあ行こっ、お兄ちゃんっ♪」


最後にそう付け足すと、さっきまでの表情とは一転、満面の笑みを浮かべた結愛は俺の手を引っ張りながら走ってその場を離れていった。

そこには、あっけに取られたままの明日香だけが残されていた。



次回はSide結愛か、学校に着いてからのお話になります。

それと作品を書いていて「ここがまだ説明できてないっ」というところがあるので、近々「登場人物説明&補足説明回」を書きたいと思ってます。

毎回のごとく、拙い文章力ですがご了承ください。


『質問や感想、お待ちしております』

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