第一話〜兄妹の1日〜
初投稿作品です。どうか温かい目でお願いします。
あいつが初めて家に来たことを、いつも思い出す。
俺にとっての新しい母さんの後ろで、恥ずかしげに顔を赤らめながら
「よっ、よろしくお願いしますっ。・・・お兄・・・ちゃんっ・・・」
少しぎこちなさそうにそう言いながら、彼女はそう微笑んだ。
この日、僕に妹ができた。
ピピピピッピピピピッピピピーーー
「んっ・・・」
毎朝変わらぬ無機質なアラーム音で、今日も目を覚ます。
時刻は5時30分。
最初の頃はなかなかこの時間に起きることに慣れなかったが、最近では逆にこの時間以外では起きられなくなってしまうほどに体に染み付いてきている。
カーテンを開け、まだ暗さを孕む朝日を全身に浴びる。
「・・・今日は少し肌寒いな。朝ごはんは何か温かいスープでも作るか」
両親が仕事の都合で家に帰ってこなくなって約4年。
掃除洗濯などの家事全般は全てこの家の長男である俺ーー雪平 悠真が担っている。
俺は布団を綺麗に畳み、自室のドアを開けキッチンのある一階へと降りていく。
暗いリビングの電気をつけ、台所へ向かうと、冷蔵庫の中身を確認する。
「ん・・・スープはミネストローネと・・・あとは・・・」
俺は朝食の献立を考えつつ鍋やその他の調理器具を用意していく。
「さて、作るか」
調理開始から30分後、目の前には完成した朝食がずらりと並ぶ。
「さて、朝食はできたし、呼びに行くか」
俺は調理用のエプロンをしまうともう一度二階へと階段を上がる。
目的地は俺の部屋・・・ではなく一つ年下の妹の部屋だ。
毎朝部活の朝練がある妹だが、あいにく朝に弱いのでこうして毎朝俺が起こしに行くのだ。
可愛らしいプレートに「ゆうあ」と書かれたドアをゆっくり開ける。
中はピンクを基調とした部屋で、所々には今時の女子らしくモデル雑誌やアクセサリなどが整理しておいてある。
部屋の端に設置されたベッドで可愛らしい寝息を立てながらすやすやと眠るのが俺の妹ーー雪平 結愛だ。
10年前、親父と再婚した義理のロシア人の母親ーーメルシアさんの娘で俺の義理の妹である。
母親譲りの透き通るような水色の髪と、澄んだ海を連想させる青の瞳。
それに身長が少し低いことがあってか、どこか妖精のようなイメージを受ける。
・・・やばっ、ちょっと見惚れてた。
いかんいかん、義理とは言えど俺はこいつの兄だぞ!?
ぱんぱん、と邪念を追い払うように数回頬をたたき、結愛をゆっくり揺する。
「結愛、朝だぞ。早く起きないと朝ごはん冷めるぞ〜」
「んッ・・・もうあさぁ・・・?」
結愛はその声に反応してか、ゆっくりと目を開けて行く。
「おはよう、結愛。もうすぐで6時過ぎちゃうぞ。早く起きないとーーってッ!」
俺は布団の中から出てきた結愛の姿を見て驚嘆する。
「ん、なに、お兄ちゃん・・・朝からそんな声出して・・・」
結愛はまだ寝ぼけてるのかまだ今の自分の姿に気づいていないらしく、のほほんとしている。
いやだって、お、お前ッ、下着丸見えてんぞ〜〜〜ッ!!!
パジャマである黄色の寝巻きのボタンが取れ、結愛の白いフリルのついたブラが露呈してしまっている!
結愛は義理の兄である俺から見ても可愛らしいので、すぐに顔が赤くなってしまう。
「お兄ちゃん、顔赤いけどどうしーーッ」
ようやく意識が覚醒したのか、それとも俺が結愛を見ないようにしていたのを不思議に思ったのかはわからないが、ようやく結愛は自分の姿を確認し、
「ーーーーーーーーッ!、バ、バカ〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜ッ!?」
「すいませ〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜んッ!?」
結愛の羞恥にまみれた悲鳴の中から、俺は逃げるように結愛の部屋を駆け出した。




