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フォーシーズンズ  作者: まふみかん
4/7

ぼーいずとーく

投稿遅れてしまいました、これから1週間に1回ほどを目安に投稿していきます。よろしくおねがいします。

真冬様の超綺麗な顔と対面して、しばらく真冬様が何か言い出すのを待つ。それでも流石にちょっと長かったので俺が聞いた。


「あの...用って何なんですか?」


それからすこしの間があって、真冬様が口を開いた。


「奈輝君、歌い手やってるよね?」


唐突にそんなことを言われたのでつい正直に聞き返してしまった。


「な、何で知って...?」


「さっきスマホ落とした時、スマホ見ちゃった」


あ、あー!だからあんなにスマホの画面見てたのか。やばい、このままじゃ学校中に広められてイケボ歌い手(笑)とか晒されるやつだ。


「今すぐ、この事は忘れてもらえませんか?」


「あは、それは無理だねー」


うわー、人生終わった。こんな暗いぼっちオタクの事なんて気にせず放っておいてくれたら良かったのに!よりによって3大女王だなんて...


「でも一つだけ、言うことを聞いてくれるのなら秘密にしておいてあげる」


「ぜひお願いします!」


何だ?もしかして1日ペットになるとか?おぉ、想像しただけで恐ろしい。でも何であっても聞かなくてはいけない。軽いヤツであってくれ!


「一緒に、歌い手やってくれない?」


「はい!やります!.....え?」


歌い手を一緒に...?って、


「まさか、真冬様も歌い手...?」


「うん、やってるんだ。知名度はほぼ0だけどね」


まさか身近...ではないか。でも同じ学校の超有名人、3大女王の真冬様が俺と同じ歌い手をやっていたなんて思わなかった。


「それで、一緒にって」


「あ、ごめん。言い方が悪かったね。あの2人ペアで歌ってみたとか挙げてる人いるじゃん?あれを一緒にやって欲しいんだ。」


確かに相性のいい2人やリアルで仲のいい2人がコンビを組んで生放送や歌い手をする、ということはざらにある。だからといって何で真冬様が俺なんかと?とか考えていたら真冬様が語り出した。


「さっき君の動画見させてもらったんだけどね?」


「確かに歌自体は上手くなかったけど素材はいい、とかのコメントも多かったし、何より楽しんで歌っている気がしたんだ」


「私も歌は上手くないけど歌を歌うこと、聞くことは大好きだから、そこを共有できる人に出会いたい、そう思ってたんだ」


「だからそれを兼ね備えてる君と出会えたことに感謝してる、どうかな?一緒に歌い手、してもらえるかな?」


真冬様にそんな事を思われていたかと思うと凄く嬉しいぞ。俺としては元より断る気などさらさら無かったので、


「喜んで、お願いします」


「ん、交渉成立だね」


それから色々話しながら廊下を二人並んで歩いている時にこんな話をしてみた。


「あの、もし断ってたら...?」


「断られた分には仕方ないからね、助けてって叫ぶだけだよ」


危ねぇ、断ってたら社会的に殺されてた。やっぱりこういうところを見ると、美人って強いんだな。こんな所で叫ばれたらぶち殺される。主に男子に。


「じゃあ折角コンビ結成した事なんだしさ、コンビ名決めない?いい案思いついたんだけど、冬色ドーナツってどうかな?かっこいいでしょ」


「おぅ、地味にセンスいい所に腹が立つ...」


「じゃ、決まりね!ふふっ、楽しみだな」


やっぱりこんな時でも小さく笑った真冬様の笑顔は俺が昇天するほどかわいいのであった。天使か。


ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

家に帰ってスマホを見ると、120件くらいLimeの通知来てた。瑞希と紅葉で半々くらい。あいつら.....とりあえず瑞希の方から見よう。


<kwsk

<詳細はよ

<はよ

<はよ

<はよ

ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

<はよ

<指疲れた

<帰ってきたら聞くからlimeくれよ


指疲れたについ笑ってしまった。話し方については、最近ネットにハマって日々2人でネットを漁っていたらいつの間にかこんな某なんとかちゃんねるの方みたいな連絡のとり方になってしまった。


しかしこんなに返事返すのに躊躇する連絡はあるだろうか。まぁ返さなきゃいけないか。「帰ったぞい」とだけ。するとわずか5秒ほどで「詳細はよ」コールが始まった。あいつ暇人なんだなと思いました。まる。


<それで、何の話だったの?


秘密にしろって言われた>


<何だよそれwこの親友にも言えないと?


すまんなw言えないw>


こんなやり取りがあったあと、教える気になったら教えろよ、と言われた。放っておいてくれる親友マジイケメンです。その後真冬様がすごく可愛かったことについて話した。ぼーいずとーくだな。


続いて紅葉はと言うと、


<話って、何だったの?

<帰ってきたら教えてね!


以下「早く」的なスタンプ60件ほど


うん。しょうがないやつだな。「ただいま帰りましたよ」と。すると2秒ほどで既読がついた。なんだこの2人。ずっとスマホいじってんのか。


<おかえりなさい、奈輝

<早く教えて?


まぁ歌い手の事は紅葉は知ってるし教えてもいいよな?いいだろう。というかこのスマホの画面越しでも感じる無言の圧力はなんだろう。


<詳しくは明日学校で説明するけど、真冬様も歌い手をやってたらしい

<それで何か歌い手をコンビですることになった


我ながら大雑把な説明だと思う。そうしたらすぐに紅葉から返事が来た。


<え、なにそれホント?

<じゃあ明日2人きりの時に聞かせてもらうかんね!

<それで、真冬様の感想は?


綺麗。美人。かわいかった>


なぜだ。既読スルーされて今日は返事が無かった。それにしても2人きりってなんかいい響きだな。紅葉もかわいい部類に入る方だと思うし。瑞希もイケメンだし、なんだかんだいって普通なのは俺だけなのだ。


俺もなんでもいいからいい所があったらな。何をしても平凡のフツメンだからな。彼女いない歴=年齢の非リア童貞を貫いている俺。悲しくなってくるわ。


よし。今度の誕生日には彼女をお願いしよう。


ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

最近夜にすることが無い。つまり暇だ。ずっとやってたゲームも少し飽きてきて歌ったり、紅葉や瑞希とlimeするくらいしかすることがないのだ。


とりま今日も瑞希にlime。


<暇人なう


基本的に瑞希も暇人なのですぐにいつも既読がつく。あ、ついた。


<今日ずっと暇だからとりあえず通話しない?


了解>


俺はlimeの通話ボタンを押す。発信音が聞こえてからすぐに瑞希の声が聞こえた。


「もしもしー」


「もしもしー」


「暇だな」


「暇だなー」


もっと話すことねえのかよ。まぁ瑞希との通話はいつもこんな始まり方をするのだが、終わる頃にははしゃぎまくっている。俺は一人暮らしだからいいとして、瑞希はいいのか?


「奈輝君、どうしても欲しいものがあるんだ」


「言ってみなさい」


「彼女」


「奇遇だな、俺もだ」


こういう彼女が欲しい、的な会話は通話でいつもしている。紅葉がいる時じゃこんな話できないしな。


「なぁ瑞希、3大女王の中で誰が一番タイプ?」


「えぇっと、考えたことなかったけど誰かって言ったら真冬様かな。奈輝は?」


「うん、その質問を待ってました。俺は好春様一択だよ」


自信満々に推しメン(?)の発表をする。その一言に瑞希が予想以上に食いついて来た。


「何それ初耳、一択って言うほど好きなの?」


「好きって言うか、まぁすごいかわいいじゃん?目の保養になるんだよ」


「なんかわかる気がする。友達になってあげたい。いや、ならせて頂きたい」


そこを言い直した意味があったのだろうか。


「というか彼女、瑞希なら作ろうと思ったらすぐできるんじゃないの?」


「人生そう上手くいかねぇんだよ」


「あぁ、そういえば片思い中だったな」


瑞希の好きな人か。すごい気になるな。でも聞いても教えてくれないんだろうな。


「瑞希はイケメンだし、頑張ってアプローチすれば振り向いてくれるんじゃない?その好きな人と接点あるの?」


「まぁ言ってしまうと接点しかない気がする。というか奈輝の方が彼女できそうじゃん。モテるし。」


「いやモテねえよ。モテないから彼女いないんだからな。そもそも彼女の前に好きな人作らなきゃな。いい人いないかな」


接点がある女子が紅葉しかいないのだ。他の女子は少し話したり物の貸し借りをする程度であまり接さないのだ。


「奈輝にはいいところいっぱいあるじゃねぇか。もっと女子と接していい人探してみろよ。ほら、意外と近くにすげぇいい人がいるかもしれねぇだろ?」


「いいところなんてないよ。顔も微妙、性格もいい訳じゃない。頭が言いわけでもなければ運動ができる訳でもなくて、卓越した才能もない。何をしても普通なんだよ俺は。それに周りには紅葉しかいないんだから、ありえないだろ」


「あー、ちょっ、ストップストップ。もう奈輝、そのすぐネガティブな方向に向かってくのやめろよ。楽しくなくなるじゃん」


「おおっと、ごめんごめん」


俺にはある時からすぐに自分のことを卑屈に考える癖がある。その度に瑞希や紅葉に怒られるのだが、どうも治る兆しが見えない。


「じゃあ、奈輝のタイプを発見したいと思います。まぁ今はわかりやすく俺らのクラスだけね。」


こうやってすぐに話を変えて俺を楽しませてくれる瑞希はやっぱり大好きだ。友達が少ないなりにもいい友達を持ったと思う。だがこういう話をするのは初めてだから少し緊張する。


「まず髪型、だな。何色が好き?長さは?」


「んー、別に何色でもいいけど何色かって言ったら黒かな」


「ふむ、黒、か...」


女性のスカートを覗いたかのような台詞で少し考える瑞希。もしここが階段の下なら殴られていただろう。


「黒髪なら望月さん、氷室さん、清水さん、神崎さんってところか。いや、かわいい系なら氷室さんは無しかな」


どれもこのクラスでは容姿が良い方の女子で、他の学年にいたならかなりモテていたであろう人達だ。そんな人でも3大女王の前では霞むのだが。


「んー、じゃあ性格に要望あるか?」


「えっと.....優しくて、俺を認めてくれそうな人?」


「難しいな、皆に等しく接する事ができる優しさって意味では望月さんか清水さんかな?」


望月さんや清水さんはクラスの人気者だ。皆に優しくできるからよく告白などをされたりするらしい。そして偶にしつこく告白してくる男子もいるらしくて、悩んでいるらしい。全部「らしい」なんだけど。


「じゃあ奈輝のタイプは望月さんか清水さん、ってことかな、まぁこのクラスだけで適切な人を選んだだけだけど」


「そんなこと考えたことも無かったからすごい楽しかった。男子同士でこういう話、ちょっとしてみたかったんだよな。というか、もうこんな時間か。明日の夜は瑞希の話を聞かせてもらうぞ」


気づけば日付が変わる直前まで話していた。それほどまでに瑞希との話は楽しかったのだ。


「おう、また明日な」


俺はそのままベッドで眠りについた。



















読んでいただきありがとうございました。これからもよろしくお願いします。

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