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曜日ごとの自己顕示  作者: 小田島夏美
6/7

金曜日に出会ったのは

木枯らしが吹く金曜日

紅葉が綺麗になる季節もそろそろ過ぎようか

どうしようかと迷ったように木には少しの落ち葉がついている。

そろそろ年末

美幸はホテルの宴会場のバイトへと仕事を変えていた

年末ということもありホテルの宴会場のアルバイトは忙しいかと

思ったらこの不景気のせいか

美幸の仕事ができないせいかシフトは少なく忙しくはなかった。



一方の純也はずっと仕事を探すも

なかなか正社員になれずバイトを探す日々であり

美幸とも会わなくなっていた。



美幸はそろそろ仕事に慣れたいなという気持ちで

今日もバイト先へと行く。




すると・・・・・

純也がいるではないか・・・・


まさか以前純也は結婚式場で働いていたため

ホテルの宴会場で働くのはそんなに変わらないとはいえ

美幸が働いているバイト先に来るとは思わなかった・・・



美幸は内心とてもあせった。

どこの少女漫画の展開かと

絶叫しそうになる気持ちをおさえ・・・

その日は仕事に集中できずにいて宴会で使うフォークを

少なく準備してしまったりなど失敗をしていた。

無論純也はそんな心境など知らない。



そこから二人の関係はぎくしゃくしてしまった。

もともと純也が仕事を探すためと言って会って

いなかったのも美幸にそんなに興味が

ないことの表れも原因だが・・・

やはり一緒の職場というのは

どことなくやりにくい。





そういえばどこかで年を重ねると

色々考えることがあって

簡単に恋愛できなくなるって聞いたっけかな・・・

とふと思い出す美幸。



一方

純也もそりゃ驚いていた・・・もちろん顔にはださないが・・・

純也は小学生の時から感情を示さないほうだった。

小学生から今まで色々な経験をして他人に心配をかけないために

そして仕事で必要な時だけ表情をだす大人になった。



バイトが終わった夜の22時台・・・・



純也は美幸からの同じ職場で驚いたというメールの返信に

『今はそこで正社員として働いているの?』という

ある意味一番聞いてはいけない質問文を送っていた。


バイトが終わりバスを待つ美幸からの返信は

次の仕事を探すつなぎとして今のバイトは考えている。

動物病院にいるのはもう疲れた。

宴会場ならまだお客さん楽しそうにいるから

私も楽しくなるし気軽だよ

というなんとも反応しずらない内容だった。



きっと美幸は脱走兵と似た心理状態だったのやも

そこに気付いても自分からまた会おうと誘えない

純也だったし、そろそろ自分から純也を誘う

ことに疲れていた美幸の姿があった。




恋愛とはお互いがぶつかり合う姿勢でないと成り立たないよ~

そのため一方的に頼られ完璧な王子様はこの世にはおらず

ただ一人だけをずっと好きになる純粋なお姫様などいない。

と自分で自分を諭される美幸の寂しそうな猫背が

仕事帰りの人が並ぶ深夜のバス停に溶け込んでいく。




こうして偶然か変な再会をバイト先で経験してしまった

二人なのであった。



後日

友達からクリスマスどうするの?と聞かれ

返答に困っていた純也がいたとか。







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