火曜日の電波女と遅まき思春期男
純也は火曜日せっかくバイトが休みなのに朝から機嫌が悪かった。
父親に将来のこともちゃんと考えるならまずは考えず行動しろよと
ずぼしなことを言われけんかをしていた。
自分でもいい歳なのにふがいないなという気持ちとまだまだ親に反抗したい気持ちで
いっぱいいっぱいだった。『そういえばドラえもんの名台詞で『大人ってかわいそうだね』って
あったかな』とぶつぶつ言いながら自宅をでていく。
これでも24歳である。いやはや。しかしこれが大人なのかと自問自答しつつ道を歩く。
一方の美幸はキャラクターグッツのショップのアルバイトへと
でかけていく。ようやく病院でのあの緊迫した雰囲気なく働けるとは
うれしいというのが、動物看護師を辞めてからの正直な本音であった。
おそらく院長が他のスタッフとあまり話さず動物病院全体が変に
はりつめたものとなっていたのも関係していた。
そんなバイトの昼休み
携帯で美幸は純也にまた会いたいという内容のメールをする。
純也は主体性のないためただいいよというだけのメールをする。
一人牛丼屋に入り、昼ごはんを食べていた純也は少し気持ちが
温かくなった。しかし美幸は毎回自分から誘っているという事実に
多少の苛立ちを感じていた。
次のデートでそれをぶつる
『今度純也から誘ってほしいな』
『え・・・・・』
『私だけが会いたいのかと思ってしまって・・・』
『そうか・・・父さんが言っていた。頭で考えるよりまずは行動してみろよってこれなのかな・・・
俺さ主体性なくてそれでせっかくの機会をふいにしていたんだなと・・・・
どうしても嫌われるのが怖くてさ・・・・』
『行動って・・・変なことしたら私帰るよ』
『待って帰らないで』
のちに美幸からこの会話の内容を聞かされた友達はこう感想を述べた。
あなた達どこの十代の交際だ。二十代ならもっと色気ある会話しなさいよと
うまく仕事ができない美幸に色気のある会話ができないのは必然だった。