表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
感染者の牙  作者: 岡田健八郎
9/40

8番目の真実

「先生が・・・先生が少女ををこの学校に連れてきたのですか?」信二が質問したかった事を代わりにソフィーが質問した。大輝が学校に少女を連れてきた・・・だが、少女はどこにいるんだ。


「ああ。もともとこの学校は、研究所として建てる予定だった。だが予定を変更して学校に変えた。」


「学校に変えた?一体誰が?」


「俺だ。俺が設計を依頼し、資金を出した。少女のウイルスをより確実に研究するために。だが、この研究は人目を引くものだった。誰にも注目されずに研究する必要があった。研究所では、周囲の人々に注目されるリスクがあった。だが、研究所以外の何かの施設なら、注目される確率が減る。その結果、学校にした。学校なら、注目もされないし、たとえ生徒の誰かが、この研究を知ってしまって誰かに話しても、本気にされないだろう。」


だが、この話に1つ疑問があった。


「じゃあ、なぜ12年間この学校にいられた?」


「俺は、正式な教師じゃないからな。それに、この学校の校長も事情を知って協力的だよ。」


信二はもう1つ疑問があった。


「どこで、研究してた?それらしい教室は無かったぞ」


「秘密の入り口があってな、地下2階まで続いてる。つまり、研究所はこの教室の地下にある。」


最後の質問をしよう・・・


「資金はどうした?自腹か?それとも誰かが出しているのか?」


「資金は教皇庁が出している。」


教皇だって?ローマ教皇の教皇か?つまり資金はバチカンが出しているのか?


「説得は簡単だったよ。悪魔に取り付かれた人間の状態を調査し研究する絶好の機会だと。原因となる化学物質を特定できれば、解毒剤を開発し、悪魔から人々を救えると」


頭の中が混乱した。悪魔?ウイルス?教皇庁?解毒剤?学校の地下研究所?とにかく、とんでもないことが起きている事だけは、理解できた。


「だが、少女の存在も長くは隠せなかった。ある日、少女は研究室を脱走し学校内を彷徨っていた。それをたまたま見回りの職員が発見したさ。その職員は精神崩壊を起こした。焦った俺は、七不思議の8番目を作って、生徒に吹き込んだ。それが<アイビの呪い>さ。」


「なぜ、アイビ?」


「少女の名前がアイビだったからさ。」


「そして昨日、恐れていた事態が起こった。デモーニョウイルス・タイプ2・タイプ3が何匹かのネズミの体に付着して、ネズミは何人かの生徒に接触した。ネズミに接触された生徒はその時点で感染し、今日発症した。」


そういう事だったのか。全ては、フィリピン人少女「アイビ」が原因だったのか。じゃあ、アイビはこの学校の地下にまだ潜んでいるのか。



評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ