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感染者の牙  作者: 岡田健八郎
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罠と襲撃

信一は考えてた。あの少年(是田)が感染者と一度も接触せず、ここまで来るのは可能なのか?

もしかして、感染者は1箇所に集まっているのか?

とにかく、油断は禁物だ。

 信一がそう考えていると、また北校舎から、誰かが来た。狙撃銃のスコープで、顔を確認した。

 何てことだ・・・感染していない人だ・・・

「助けて!お願い撃たないで!」

女子だ。

 また生徒達が、集まった。

「まじかよ・・・」

「連続で2人も、ありえねー」

「嘘でしょ!」

動揺している。


 ソフィーは信二に話しかけた。

「どう思う?」

「・・・おかしい。」


立花は、紘輝に話しかけた

「これはもしかして罠かも」

紘輝は理解に苦しんだ。

「罠?」

「そうよ・・・罠」

「連中は狂暴な怪物だ。そこまで、知恵はないよ。」

「でも、動物的本能はあるんじゃない?動物も罠はしかけるし・・・」

「でも、罠だとして、感染してない生徒をこっちに送って向こうに何の得がある?」

確かにそうだった。立花は考えすぎかと思った。


「お願い!助けて!」

「信二。行けるか?」

信二は、バリケードを越え、女子生徒に近づいた。そして、傷を探したが、無かった。

「誰かに、血か何かをかけられた?」

「かけられたないわよ・・・・」

「誰かに会った?」

「会ったわ・・・」

信一、信二、大輝は銃を構えた。

「誰に会った?」

「分からない。分からないのよ・・・暗くて見えなかった」

「誰かに触られた?」


 是田の頭痛は激しくなった。誰かに、キスされったて言えば、殺されるに違いない。そう直感した是田は、嘘をついた。本当は、誰かに自分の口にキスをされた。そして、誰かに渡り廊下に連れて行かれた。だが、殺されると思って、嘘をついた。

頭痛が酷くなっていく一方だ。誰かに話かけられた。

 その時の彼の目は殺意に満ちていた。


 3階渡り廊下

誰も、見張りに居なかった。全員2階の渡り廊下に行ってしまった。そんな、渡り廊下のバリケードに近づく集団がいた。


 2階渡り廊下

誰かが走っていく音がした。

「信二!戻れ!」

信一の掛け声とともに、信二はバリケードに走っていった。

「待って!」

女子生徒がそう言ったが、北校舎から、感染者の軍団が襲ってきた。瞳が赤い。タイプ3だった。

女子生徒も逃げようとしたが、感染者に足を引っ張られ、北校舎の暗闇に連れてかれた。

信二が、バリケードを潜ると同時に、信一と大輝が銃を撃ち始めた。


 「きゃあああああああああああああああああああああああああああああああああああああああ」

教室から、叫び声がした。


教室では、是田が、他の生徒を襲っていた。

「殺せ!」

他の生徒が叫んだが、

「お、俺にはできない」

と言って、近くに居た生徒はためらった。だが、ためらった生徒も是田に襲われた。

「誰か来て!感染者が出た」

だが、大輝と信一は気づかなかった。

是田は紘輝に襲い掛かった。紘輝は釘バットを強く握って、

「神よ、お許しください」

そう言って、バットを是田の頭に振った。無数の釘が是田の頭部に突き刺ささった。

だが、是田に襲われた生徒が立ち上がった。瞳が赤かった。

生徒達は、パニックを起こした。

「教室に感染者が出た!!」紘輝は叫んだ。

やっと、2人が気づいた。

「先生が行ってください!」

「拳銃の弾が切れた!」

「くそ」

信一が狙撃銃で、教室に向かった。

教室では、すでに6人が感染していた。

信一は撃とうとしたが、弾切れの音がした。

「くそ!!」

感染者が1人襲ってきた。信一が反射的に銃で殴った。短機関銃に切り替えて、乱射した。弾丸は感染者達の体を貫いた。5人殺したが、乱射した短機関銃の弾が切れた。さっき殴りつけた感染者が襲ってきた。


生徒達は、階段を上がって、3階と4階に逃げようとした。だが、何かの集団が、上から下がってきた。

感染者の集団だった。眼が真っ黒。タイプ2だ。

タイプ2の感染者が生徒の集団を襲い始めた。生徒達は、1階に逃げようと階段を下がった。


信一が襲ってきた感染者の頭をつかんで、一回転した。感染者の首から、骨が飛び出し、首の皮と肉が引き裂かれ、血が噴出した。

だが、信一の背後から感染者が襲ってきた。信一が反応し切れなかった。

1発の銃声がした。

感染者の頭部から血が噴出した。

信二が慣れない銃で、見事に感染者の頭を撃ちぬいた。

「助かった。信二」

信一は狙撃銃と短機関銃を装填した。

「その銃を大輝先生に渡そう」


大輝はバリケードの前で、潜り抜ける感染者の頭をバールで殴っていた。ソフィー、野田、鳥円がやってきた。

「先生!感染者が3階のバリケードを突破してきました!」

大輝は、舌打ちをした。


立花と紘輝は、階段で感染者の集団と戦っていた。

「立花!逃げろ!」

だが、感染者の1人が紘輝を羽交い締めをした。その感染者を立花が包丁で刺した。

「助かった」

「紘輝君!立花さん!逃げましょう!」

海咲と栗山と優が来てそう言った。


信一と信二が教室を出た。立花と紘輝と海咲と優が階段からやって来た。

「3階はもう駄目!!」

信一が、自分の不注意さを呪った。階段から大勢の感染者が来た。だが、山田が消火器を撒き散らし、感染者を遠ざけた。

信二達はバリケードに向かった。

「先生!もう駄目だ!」

山田が走ってきた。後ろには大勢の感染者が追っていた。

武器を持った職員達が突撃した。

「俺について来い!」

大輝が叫んで、走り始めた。後ろでは、職員、生徒、感染者の乱闘が起きていた。

「皆、大輝先生について行け!!」

紘輝は後ろの人たちに叫んだ。後は彼ら次第だ。信二達は走った。走り続けた。

もう、大輝について行くのに夢中だった。大勢の悲鳴が聞こえる。



信二は、この時だけは真の恐怖を感じた。


グランド


「博士、突入の準備は?」

水谷は野村に聞いた。


野村はまだ興奮していた。

「博士?」

「突入しよう」


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