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溺れるほどカプサイシンを求める日々の日録  作者: 夜霧ランプ
ななくぎりめ:一月中旬
90/300

九十話目「七割が水の袋」

 人間の体の組成の七十パーセントは水だそうです。

 水がうっすらと肉を纏っているものが人間…とか言うと、宗教っぽいけど事実です。


 人間の多数派は、自分はとても強くて、絶対に死なないと過信してる時期ってあると思うんですよ。

 主に幼い男児に多い考え方かも。

 けど、常日頃から「俺って些細な事で死ぬかもしれんのや」と思いながら生きていたら…みんな哲学者になってしまう。

 世の中の作りとして、「俺は強い」と思って居る男性と言うのは、一定数必要なんです。

 その人が犯罪に走らない限りは。


 そんなわけですが、鍛えても栄養面を整えても、人間の基本装備として、体の七十パーセントの成分は水分です。

 そんな、グニャグニャになりそうな人間の体を支えているのが、骨と角質と筋肉です。

 骨と筋肉が体を支えているのは分かりやすいでしょう。

 あなたが軟体生物でない限り、体を動かす時は、骨で支えて筋肉を動かすでしょうから。

 角質と言うと、皮膚から無くさなきゃならない物みたいに思われがちですが、本来は皮膚を固くして外からのダメージを受けにくくする、甲羅みたいな機能なのです。

 特に人々が大事にしている角質があります。

 爪です。

 爪が無いと、指先も爪先も、先の形を保てません。

 先の形を保てない指が、どんなに恐ろしい事になるか…は、描写として言いにくいですが、「指先と爪先が、常に激痛に見舞われる」かも知れません。守ってくれる角質が無いからですね。


 人間の基本装備は軟軟(やわやわ)なので、注意しないと、すぐに怪我をします。

 転んだだけで怪我をします。だけど、転んだ事がない子供は夢を見ます。

 保母さんに連れられた幼児でも、横断歩道の信号を、サーキットの信号に見立てて、「青信号になった瞬間跳び出そうぜ!」とか言い出します。

 青信号になった瞬間、車が必ず停まると信仰しているんでしょうね。

 そして、跳び出す事はカッコイイと思ってるんだろう。


 僕も、全身を強く打って死亡って言う言葉が、「体がバラバラになって死にました」の意味だと知った時は感心しました。

 鉄の塊にぶち当たったら、人間って砕けるんやって。

 走ってくる車の前に飛び出して、轢かれずに反対側に行けたら勝ちと言う、イカレタ遊びをする少年少女も居ますよね。

 遊びだから死ぬわけないじゃん! って言う意見らしいけど。

 いや、遊びでも、車にぶち当たったら、死ぬ事あるよ?

 そんな自殺ごっこを楽しんでる君の、隣にいるママは、一体、何をしているんだい?

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