八十九話目「一日二千キロカロリー」
成人の一日の必要摂取カロリーは、二千キロカロリーだと言われている。
たぶんそれは、二十代になったばかりで、しかも体を動かす系の仕事をしていて、主に男性か、男性に匹敵する基礎代謝を持っている女性の「必要摂取カロリー」だと思う。
基礎代謝は年々減って行く。
だが、人間と言うのは、体を動かさなくなっても食欲は消えない。
そして太って行くのだ。
と、俺は思って居る。
ン十年前の俺。太っていた。ぽっちゃりさんだった。
十年前の俺。痩せすぎていた。筋肉が無くてガリだった。腹だけは出ていた。
現在の俺。骨が整った事で「締まって見える」ように成った。腹は出なくなった。
上の記述を見てもらうと、昔はすごく食べてたんだろうと思われかねないが、飯の量としては過去のほうが少なく、現在に向かうにつれて増えている。
食べな過ぎで太っていた状態から、食べな過ぎでガリっている状態に成り、ようやく体型が安定してきた所。
体重は五十五キロくらいをキープしてしまって居る。
もういっそ、俺のベスト体重が五十五キロなんだと考える事にした。
一人で暮らしていると、朝食を用意する前のエネルギーが無いと困る。
だるいから朝食食べなくて良いやと思ってると、昼に成り昼下がりに成り、夜になっても何も食わなくなる。
空腹感が分からなくなるのだ。
そんな時は、食パンにジャムを塗って食べただけで涙が滲む。
ついでに目玉焼きも焼く。ハムは無い。
塩目玉焼きがとても美味しい。
そんな二千二十五年一月十三日、夜。
何事もなく二十二時に眠った。
そして翌、十四日朝六時。
アラームの一時間前に起床。
食パン一枚に、ジャムとバターとチョコレートソースとケーキシロップを全部盛りで食う。
手前のジャムと遠くのバターが相反した方向に向かおうとして、ジャムを溢し、バターを手指でつかむ羽目に。
で、手を洗って着替えて。
時間があるんだったら執筆をしよう。昨日書きかけていたエピソードを…。
と思ってメモ帳の下書きを開く。
割と納得できたので、言い回しだけ変える。
で、時間になって出かける。
おやつにパンコーナーのパンケーキ。
昼ご飯は四百円のカップ麺塩味。
飲んだもの、緑茶、紅茶、ミルクコーヒー。
昼下がりに、気分が悪くなってくなる。
オレンジの飴ちゃんを食べて凌ぐ。
家に帰ってくる。
食パンを二枚とほうれん草の胡麻和えを食べる。
檸檬の飴ちゃんを食べる。
お湯を飲んだ時に、飴ちゃんも嚥下。
ゆっくり味わうつもりだったのに。