八十六話目「グリルチーズサンド再び」
時々作る、フライパンで食パンを焼く料理。
今回は、食パンにバターを塗って、溶けるチーズを挟んで焼く、グリルチーズサンドを作りました。
とても簡単でとても美味しい。はずなのでが、今回は火加減が強かったみたいで、パンの表面がこんがりしても、中のチーズが溶けていなかったのです。
なので、フライパンからサンドウィッチを救出して、レンジに一分半かけました。
チーズは溶けました。そしてパンは茹で上がってしなしなに成りました。
それでも美味しい。良いチーズを使ったら、きっともっと美味しい。
フライパンで食パンを焼く料理と言うと、大体の人は「フレンチトースト」を思い浮かべると思います。
ある日の僕は考えて居たんですよ。
フランスに行って、フレンチトーストを頼んだら、意味通じるんかな? と。
ウィーンには、「ウィンナーコーヒー」って、無いらしいんですよ。
困った時はグーグルです。
どうやら、フランスでは「フレンチトースト」ではなく、パン・ペルデュ(失われたパン)と呼ぶそうです。
柔らかさが失われたパンを、卵や牛乳に浸して「生き返らせる」料理なんだって。
フランスでは、デザートとして食べられている…と言う事です。
パン・ペルデュにはフランス語で「埋没費用」を示す、隠喩でもあったそうです。
なんでも、日本で言う「フレンチトースト」に近いものはたくさんあって、香港、台湾、イタリア、ドイツ、イギリス、アメリカ等々でも、似たような「パンに液体を染み込ませてフライパンで焼く料理」があるそうです。
各地での、その料理の呼び名は少しずつ違っているのですが、欧州では「貧乏騎士」と言う意味の言葉をあてられる事が多いみたいです。
スウェーデンだったかでは、牛乳の代りにクリームを染み込ませた「金持ち騎士」と言う料理もあるそうで。
結論を出すと、フランスでは「フレンチトースト」と言っても、意味が通じないようですね。
パン・ペルデュと言って注文しないと成らない。
しかも、朝食に食べる物ではないそうです。
フランスの朝食と言ったら、クロワッサンですね。と言う先入観が僕にもあります。
ベーグルも流行っているようだと聞いたけど、ベーグルってそのまま食べるんじゃなくて、スライスしてトースターで焼いて食べるんですって。
アメリカ版のベーグルの場合は、そのトーストした物にサワークリームをつけるそうで。
トーストすると、サクッとした軽い感じになって、食べやすいと聞きました。