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溺れるほどカプサイシンを求める日々の日録  作者: 夜霧ランプ
ごくぎりめ:十二月下旬
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五十五話目「行き違いって言うのはあるさ」

 ある所に、Aと言う国がありました。

 A国では、特有の神様が信じられていました。

 A国に、Bと言う国の人が来ました。

 B国の人達は、「他所の人が大事にしている物を大事にする」と言う礼儀が分かりませんでした。

 B国の人は、A国の神様の神殿に落書きをしたり、神殿の一部を壊したりしました。

 A国の中で、B国の人達は、とても無作法だと言う評判が広まってしまいました。

 B国の人で、外国に来れる人は、とてもお金持ちなのです。

 でも、A国では、お金持ちの人だからと言って、「私はもっと自分勝手をして良いはずだ」と、欲張ることは上品では無いとされていました。

 其れこそ、神様を大事に出来ない人は、上品ではありません。

 これでは、B国の人達は、外国に行った時に、とても大変な誤解を招いてしまいます。


 他国の人が大切にしている物を大切に出来なかった事で、外国人観光客が、現地の人に嫌われてしまう事は、今までも多々ありました。

 C国では、墓石に当たる物に登って写真を撮る外国人観光客が嫌われていました。

 D国では、髪の毛を出している外国の女性観光客が嫌われていました。

 E国では、暑いからと言って腕や脚を出す観光客達が嫌われていました。

 そんな風に、夫々の国の「大事な事」を大事だと思えなかったか、大事である事を知らなかったため、その国の人にとっては失礼な事を、外国の人達はしてしまって居た事があるのです。


 ある女性観光客は、神獣だとされる動物達が、大人しく集まって、自分に向けて「ご飯をちょうだい」とねだる様子を見ていました。ご飯を持っていなかった女性は、神獣達の頭を、少し乱暴に叩いてしまいました。

 女性は笑顔でした。大人しい神獣達が、ご飯をねだる様子が可愛かったのかも知れません。

 だけど、その様子を見ていて、神獣に「無礼を働いた」と、怒る人もいます。

 怒られても、女性は訳が分かっていない風で、怒ってくる人にも笑顔を向けていました。

 神獣でなくても、自分に好意を持ってくる生き物を「叩いて黙らせる」と言うのは、暴力的な行動です。

 神殿に落書きをしたり、壊したりする人は、何か行き場のない感情を持っているのでしょう。

 ですが、神獣の頭を叩いてしまった女性のように、「大切である事が分からない」からこそ、現地の人にとっては失礼な事をしてしまう場合もあります。

 外国に行くと言う事は、決まりも価値観も違う場所に行く事になります。

 周りにはよく気を付けて、「郷に入っては郷に従え」を、出来る限り守ってみましょう。

 そうすると、少しでも、その土地の人達が何を大事にしているかが分かるかもしれません。

 それによって、もっと世界が広く分かる、有意義な「旅」になるでしょう。


 自分を意見を持つのは良い事ですが、他人の「大切」に対しても、理解が持てると良いですね。

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