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溺れるほどカプサイシンを求める日々の日録  作者: 夜霧ランプ
よんくぎりめ:十二月中旬
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四十六話目「ハムエッグが美味しいと言う奇跡」

 薄っぺらいハムです。ハム同士を引き剥がすときに、くっつきあって破けてしまうくらい薄っぺらいハムです。

 ですが、それ等を一枚ずつ、フライパンに置いて、その上に卵を落として焼いたとき。

 あの「全ての調和」の香りを、おいどんは忘れられないでしょう。

 そしてまたハムを買ってしまうでしょう。

 卵自体には塩と胡椒を振りました。

 普通に焼く時より火が通りにくいみたいで、どろりとしたアメリカ風の半熟だった。

 一滴の卵黄も残さず、口の中に押し込んだ。

 焼かれたハムは凄かった。あんまり凄いもんだから、「冷蔵の状態のハムはどうなんだろう」と思って食べたら、そうでも無かった。

 やはり、加熱すると言うのは今の時期の助けもあり、素晴らしい魔法なのである。


 でもって、先週まで、日常に目標がない十二月を過ごそうとしていたのですが、日常の折々に「必ず達成する事」が無いと、人間は「死ぬ時はどうしよう」しか考えなくなるみたいです。

 生きてるのが楽しいと思わないと、思考が一気に老後に成ってしまうのです。

 もし、早死にしたりした時に発生する不満と言えば。

 俺が食わずに貯めた銭が、別の奴に使われる事。

 おまいら、毎日目玉焼きで頑張った過去はあるのか!

 とか、

 砂糖とインスタントコーヒーでコーヒーゼリーを作って、一食と換算した事はあるのか!

 とかの、食事に関する色んな怨みを粗方クリアした奴にしか、貯金は譲らん。

 一年くらいキノコと豆腐とシラタキと卵くらいしか食べなかった事のある奴にしか譲らん。

 肌がガサガサになるのに耐えながら、ラクトベジタリアンを貫いた事のある奴にしか譲らん。(皮膚の調子は化粧品で補う事を後に覚える)

 と言う事を延々と考えるくらい、「死んだ後」の事ばっかり考えるようになる。

 これでは危うい。

 なので、毎日こなす事として、朝ご飯を作ることを設定し。

 ついでに、クリスマスにかこつけてご馳走を食べる予定を立てる。

 24日は、ホイップクリームとチョコソースとケーキシロップでコテコテにしたホットケーキタワーを作って食べ、25日は買って来たケンタッキー州の揚げ鶏と、ローストチキンを食べる。

 チキンを心地好く食べるためにサラダも買ってくる予定である。

 ホットケーキタワーに何の果物を挟むかも楽しみどころである。バナナとイチゴは欲しいな。チョコと合うし。

 想像しただけでとても幸せである。

 勿論、その他の用事も、面倒くさがらずに片づけなければならない。

 ミッション:冬を越せ! の状態である。

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