二十五話目「雪が降る」
二千二十四年十二月六日。
時刻、十九時四十一分。
たぶん雪じゃなくてみぞれが降っています。
もう嫌だ。また服が乾かないんだ。乾かないから着れないし、乾かないから新しいのを洗って干せないし。
一週間分のインナーとセーターとボトムスを、週のうちに何回かに分けて洗って干すのですが。
セーターは乾きが良いけど、インナーが意外と乾かないのです。ボトムスも、布面積があるせいか、何時までも乾かない。
土日は大体パジャマのままで過ごします。買い出しに行く時以外は。
今日も時間があったんだから、食料を少しでも買って来ればよかった。
この数日間、日中活動をした後で、家に帰ってくる前に、必ずどこかに立ち寄っています。
最初のきっかけは、証明写真を撮りに行った時でした。
まず、証明写真機が何処にあるかを一頻り探して、それから料金の千円を作るために、ちょっとだけ買い物をして、写真機の所に戻って来たら先客がいて、暫く自動販売機を眺めて待って。
それからようやく撮影したけど、だいぶ慌てていたためか、髪の毛がしなしなの状態で撮影して。
遠近感も少しおかしくて、顔が斜めになっているように映ってしまって。
これが今後の、俺を特定する写真になるのかよ…って思ったら悲しくなる出来上がりになって。
だけど千円がもったいないから、後日ちゃんとしかるべき場所に提出した、と言う経緯があります。
その日が珍しく雨が降って居なかったからか、何故か歩いた後の気分が好くて。文字を書いてもスラスラとはかどって。
で、行動した後って、頭の働きよくなるんか? と思って味を占めたのです。
実際、町の中の色んな店を見たり買い物をしたりした後は、筆の進みが良いのです(文字をスラスラ書けるのですの意味)。
原理としては、脚の筋肉をある程度動かすと、脳に血がいっぱい送られて、頭が活性化した状態に成ります。そうすると、体を動かさないで考えているより、発想力や思考力が向上するんだって。
まぁ…ちょっと疲れるくらいの運動は必要って事ですよね。
頭がよく回るようになったのは良い事なのですが。
毎日、夕ご飯の前に歩き回る事になるので、とてもお腹が減るのです。
帰りのバスの中で、「鞄の何処かに飴ちゃんは落ちていないだろうか」と探すくらいお腹が減っています。
なのに、バスを降りて徒歩で歩いている間は、一切腹が減らない。
バスの中はリラックスするから腹が減るのかも。
とりあえず、飴ちゃんを常時持ち歩こう。