二百四十一話目「チーズケーキが作りたい動機」
二千二十五年三月二十九日。
夜。流石に冷えてくる。
まだ願望の段階だが、チーズケーキが作りたい。ベイクドではなく、ゼラチンで固めるほうのチーズケーキが。
クリームチーズを使わなくても、ヨーグルトとゼラチンとカッテージチーズで出来るらしいと、ユーチューブで観たのだ。カッテージチーズを売ってる所を調べねば。
正確には、ヨーグルトとゼラチンとカッテージチーズとレモン汁がいるらしい。砂糖もいる。
レモン汁で、チーズっぽさを出す…とか聞いたような覚えがある。
レシピは後で確認するとして、クリームチーズ無しで作れると言うのは確かに嬉しい。クリームチーズさんは高嶺の花なのである。
お菓子を作ると言うのは、それを浴びるように食べたいと言う気持ちとセットだと、個人的には思う。
買って食べたほうが圧倒的に美味しいのに、材料を集めて作りたいと言う事は、「いっぱい食べたいから」と言う理由以外に、適切な動機が思い浮かばない。
浮世の少年漫画の探偵ものって、「犯行手口」や「アリバイ」を暴くものが多いけど、動機を暴くって言うのはあんまり見かけた事がない。
動機は、現場で犯人に語らせると言うのが多い気がする。そのほうが、漫画のネームとしては面白いのか。
だけどなぁ。黙秘権(質問や声掛けなどに一切言葉を返さない権利)って言うのもあるしなぁ。
探偵ものではなく、弁護士ものだと、敢えて罪を認めさせて反省の意志があるとして刑の軽減を…って言う策略もある。
本当に無罪だった場合は、「判決を受け入れて下さい。刑が軽くて済みますよ」って言ってくる弁護士は悪魔だろうけど。
実話として、昭和の時代に罪を着せられて、ずっと裁判で争っていて、おじいちゃんに成ってから無罪が証明された場合もあるし。
証拠だとされていた「血だらけの衣服」を、後の世でよく調べたら、その服を汚していたのは味噌だったと言う話をニュースで聞いて、「え?」って思った。
血液と味噌って判別つかないの? って。
たぶん、当時の警察のお仕事で、偽の証拠を使って「事件はさっさと片付いた」って言う体を作って業績にしたかったんだろう。
何十年にも渡って犯罪者扱いされていたおじいちゃんには、何とも言葉をかけかねる。
おいどんの些末な国語力を以って、心持を表現するなら、「長い戦いでしたね。貴方が勝てたことは、一緒に喜べます」と言う所かな。
世知辛い世の中ではあるが、お休みの日は、甘いものでも作って食べよう。