二百二十話目「目をキラキラさせる」
二千二十五年三月二十日。
昼に起きた時。
髪の毛を直すために、鏡を見る。すっげぇ疲れたご老人が映る。髪は白くないが、顔がむくんでいて、表情筋がひきつったまま固定化されている。
肌の色も良くない。死んだ魚のような眼をしている。こいつぁ不味い。
顔はほとんどマスクで隠れるが、目が死んでると本当に老けて見える。
肌を整えて目を潤わせなくちゃ。と言う事で、日焼け止めを塗ってコンタクトレンズ入れる。
日焼け止めを手に取って顔になじませるとき、皮膚を引っ張らないように、強張っている表情筋をほぐす。
目はどうしようもないので、髪と皮膚だけ整えて出かける。
目薬を点眼すれば、一瞬で目は潤うのであるが、それは思いつかなかった。
バスの中で、SNSのおすすめで出てきた、動物を助ける系の話を見る。心ならずも涙腺が機能する。
こんな所で泣いてたら、明らかにおかしい人だよ…と思い、涙は堪える。
休日の些末な予定をクリアして帰ってくる。
買ってきた食料を冷蔵庫に収め、今日食べる分の食料でミルクセーキを作り、明日食べる物の事を考える。
本当に、食事からは逃れられないですからねぇ…。せめて、コストを抑えて栄養があって、美味しい食料を得なければ。
と言うわけで、毎週五日間、サラダチキンや六ピースチーズを食べ続ける高給取り的な生活からは逃れようとしているわけです。
お昼ご飯に六百円かけている場合ではないのです。お昼ご飯だけで毎週三千円…いつも思うけど、手痛い出費です。
その、六百円かかっていたお昼ご飯を、何とか週末の買い物だけでクリア出来やしないかと言うわけで、無理だ無理だと思っていたお弁当生活を始めるのです。
今回は冷凍食品を買って来ましたが、揚げ物でなければ作れるかも…と思っています。
揚げ物をするには、ちょいと設備が充実していないんですよね。油もいっぱいいるし。
ミートボールに関しては、冷凍ものが美味しくなかったら自分で作るようにしようかな…だけど、時間と余裕のある時にしか作れないですね。
予め作って火を通したものを、バットやタッパに入れて冷凍しておけばいいのだろうか。
ですが、買ってきたミートボールが美味しくなくても、うちには肉を美味くするスパイス、「ナツメグ」があるのです。
ナツメグと塩コショウと、解凍したミートボールを袋に入れて振ればいいのかな? それとも、解凍前に味付けを?
調理の仕方が合ってるかは分かりませんが、何とかして「美味い」と思える肉を作ります。
アニメの手法では、目の中のアイキャッチを動かすことで、目が潤んでいる表現と言うのが出来るんですって。
アイキャッチ:目の中の光の反射の事。