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溺れるほどカプサイシンを求める日々の日録  作者: 夜霧ランプ
じうさんくぎりめ:三月中旬
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二百三話目「お腹を火傷しました」

 二千二十五年三月十三日。

 時刻は夕方頃。事件は起きました。

 胃袋の中の事ではなく、腹の皮膚に火傷を負ったのです。


 経緯を説明すると、まず、家に帰って来て、お腹が空いていたのでプレーンヨーグルトを食べました。

 次に、しょっぱい物が食べたくなって、インスタントのコンソメスープを用意しました。

 だいぶ熱い湯で作ったので、飲みづらくて一度置いておくことにしました。

 そして、テーブルの向こう側にある漫画本が、目に入りました。

 ちょっと本でも読んでいようと思って、少し腰を浮かせて棚に手を伸ばし、本を手元に引き取った瞬間。

 熱々のコンソメスープを用意していたカップが、おいどんの腹のほうにめがけて倒れてきました。

 転がるカップ、一面に広がる熱湯。

 反射的に座っていた場所を飛びのきました。

 直撃が当たったおいどんの腹と、スープの染み込んで行くズボンが、段々と過熱されて行きます。

 布が皮膚に張り付く前にすぐ脱いで、びしゃびしゃになったクッションと一緒に、洗濯物を置き場に置きに行きました。

 どうやら、斜め上に引っ張られることでセーターの腹がコップをひっかけ、床に座った途端、腹の内側に巻き込まれた熱湯入りコップが倒れたようなのです。

 出来る限りパニックにならないように対処したのですが、自分の火傷の処置には頭が回らず。

 最初は、なんでも良いから潤して冷やさなきゃと思い、保湿クリームを塗りこんでみましたが、余り効果はなく。

 一番良いのは冷水で冷やすことでしょうけど、火傷の位置がへその斜め右の下腹と言う、とても水をかけずらい位置なので、しばらく考えました。

 過去に数回、手や指に火傷をしたことや切り傷を負ったことは何回かあり、その度に「紫雲膏」と言う塗り薬で治していたのを思い出しました。

 今でも、その薬を持っていただろうか…と言う、淡い期待を持って、薬箱を探すと…金属製のチューブはぐちゃぐちゃになっていましたが、ちゃんと紫雲膏はありました。

 保湿クリームを塗っても赤く痕の残った部分に、紫雲膏を塗りこんで、大きめの絆創膏を貼って、ずれないように上から布テープで止めました。

 後は、実質的な皮膚の温度を下げなければなりません。

 ググってみた所。火傷の対処法のうち、水を使わない方法として、保冷剤を当てると言う方法があったのと、おいどんの家にはでっかい保冷剤が四個くらいあるので、それのうちの一つを使う事にしました。

 流石に直に皮膚にあてるのは危険なので、タオルで包んで、着替えたズボンの腰のゴムの所に差し込みました。

 座ってる状態だと、丁度腿で保冷剤を支えられて、下腹を冷却することができます。

 まずはその状態で様子を見ていますが、今日は風呂には入れそうにないです。何とか、明日までに赤みが引いて、ヒリヒリしなくなってたら良いのですが。

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