百七十五話目「モクテルの材料を探す」
二千二十五年二月二十八日。
電気屋の酒コーナーで、モクテルの材料を探す。
近眼の目をキランキランにして、ガン見しながら探す。
そもそも、普段立ち寄らない酒コーナーと言うものが物珍しく面白く。
ブルーキュラソー(青いリキュール)とか、カシス(濃い紫のリキュール)とか色々あったけど、どれもアルコール度数が高い。
概ね、ニ十パーセントくらい。
まぁ、本来は少量ずつ使ってカクテルを作るものだから、アルコール度数が高くても仕方ないのかもしれない。
だが、俺が作りたいのは、モクテルなのだ。ノンアルコールカクテルが作りたいのだ。
無くて元々と思って探していたが、本当にないものなのだなぁ。
発見したことと言っては、蜂蜜のお酒と言うのが結構あった。
「おお。これで、黄金の蜂蜜酒を作るのか!」と言う、ちょっとしたオタクな心になる。
後、梅酒も幾つかあった。しかも、地元の有名高級酒で漬けこんだ梅酒だと言うものが。
いや、普通に氷砂糖で漬けこんでくれませんか…と思ったのは、間違いない。
ワインのコーナーも見てみた。テーブルワインが多かった。アメリカで醸造されたワインや、スペァインで醸造されたワインもあった。
日本のワインは無いんか? と思って探したら、あった。
日本でも作れるのに、なんで外国のテーブルワインを輸入しているんだろう…と思ったが、そう言えば、ワインは産地で味が変わるんだった。
出来れば、風味と色彩だけ楽しめるノンアルコールの液体が欲しかったのだが、数件の酒を扱っている場所を探した結果、無かった。
酒コーナーじゃなくて、本当の酒屋さんとかに行けば、ノンアルコールコーナーがあるかもしれない。