百三十二話目「何の変哲もない卵ラーメン」
何の変哲もない醤油ラーメンに、何の変哲もない鶏卵を入れて、熱湯を注ぐ。
四分待つ。八十八円ラーメンシリーズの鉄則、必ず四分から五分待つ。
くたびれた麺を啜るためには、四分以上待つ。
現在、十八時十四分だが、十六時台からずっとお腹が空いている。飴ちゃんで誤魔化したけど、ずっとお腹が空いていた。
一分一秒でも早くラーメンにありつきたい。
よく考えてみると、今日はちゃんと「お腹空いた」って分かってる。無意味に悲しくなったりしていない。
よし。今日のおいどんはちょうど良い感じだぞ。体が暖かいからかな。
(四分後)
柔らかめの麺を啜り、スープを飲み、卵の黄身をつるんと飲む。卵黄は口の奥で潰す。うまし。
お腹が温かくなって満足感が出てきて涙がにじむ。
そんなにお腹が空いているのがつらかったなんて。
外は良い感じに吹雪なのですが、カメラを持って行くのをさぼった結果、撮影できず。
街灯に吹き付ける吹雪は、中々見ものだったんですけどね。
暖かいラーメンの後に冷たいハムなんて食べたもんだから、温度差で内臓がキュウって成ってます。
またその後で温かいお茶を飲むつもりで用意してあるので、更に内臓はキュウって成るでしょう。
暖かいお茶を飲んだ。キュウとはならなかった。平和が胃袋に広がった。くぅ…騙されるもんか! って成るけど、今のところ騙されておく。
胃袋が平和や。この平和をぬい達にも分け与えなければならない。
だけど、今は外から帰ってきたばっかりの服装と、ラーメンを食ったばっかりの口周りと手元なので、ぬいに触ると彼等が汚れしまう。
お風呂入って来て、パジャマに着替えてからモフモフウとしよう。