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溺れるほどカプサイシンを求める日々の日録  作者: 夜霧ランプ
はちくぎりめ:一月下旬
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百四話目「お兄さん無理やて」

 家に帰ってくるときに、バスに乗ります。中途半端な所で降りるので、比較的降りやすい席につくか、降りやすい場所に立っています。

 今日は、でっかい荷物があったので、荷物を置けて、なおかつ立ってられる場所に位置を決めました。

 僕はリュックサックをいつも背負っているので、背中を通路側に向けると邪魔になってしまいます。

 降りる人の邪魔にならないように、なるべく正面を向いていました。

 数か所のバス停は、周りの人も気を付けていて、つつがなく、先に降りる人達を降ろしてあげられました。

 しかし!

 とあるバス停の、バスの出入り口付近で、空間把握能力のない男性が、二名出会う事になります。

 後ろか前にずれてくれれば道が空くのに、何故か、僕の真横に立って、人の通る道をあえて狭める人が一人と、「どんな隙間だって人間は押せば通れるんだい!」と信仰する人が一人です。

 言い訳のようですが、僕は、荷物を押さえている事もあり、あまり場所を動けません。

 そして、僕が降りる人を確認しようと後ろを振り返った瞬間、人は押せば道を開くと信仰している異教徒が、僕のリュックサックと、何故か僕の真横に立っていた人の体をぎゅむむむぅぅ~っと押して、通過しようと努力。

 無理だって! 物理的にこの隙間に三人は無理だって!

 と思った僕が、「ちょ、ちょちょちょ、ちょっと…」とか言いながら、リュックサックを前方に半回転させ、なんとか「人間は押せば開く信仰会」の人を通してあげました。

 その異教徒の人は、「俺の信仰心は確かだった。道は開かれた」と思って帰って行ったでしょう。

 もうちょっとさぁ、周り見ましょうよ。スマホばっかり見てないで。

 なんで真横に居た人、後ろに避けなかったんだろう…と、その時は気づかなかったのですが、そやつの手には、確かにスマホがありました。

 SNSとかでも、スマホばっかり見てて周り見えてない、変な人の映像とか流れてくるから、今日僕が出会った「状況を考えずにスマホ見る人」は、今は珍しくないのか。

 集中力がそこだけに注がれる機器を見つめ続けるって、どんな状況でも自分の周りは一定条件が守られており、一定の安全があると思ってるって事ですよね。

 混雑してるバスの混雑する場所に立つんだから、周りを見ましょうよ。


 日本ってね、犯罪がないわけじゃないんですよ? 事故もないわけじゃないんですよ?

 交通課の人達が、どれだけ頑張って「事故ゼロデー」を実現しようとしてるか知らないんですか?

 知らないんですか…。

 スマホの中のあなたの世界の日本って、すごく平和なんですね。

 人間って、脳を使わないと、脳細胞が消滅して行って、猿の脳に近くなって行くんですって。

 いや、今のは独り言です。

 そんなことを一頻り考えてみた。疲れた。

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