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溺れるほどカプサイシンを求める日々の日録  作者: 夜霧ランプ
はちくぎりめ:一月下旬
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百一話目「風邪を引きました」

 昨日は湯船に入って、すっかり暖かくなって眠ったはずなのに。

 翌朝。

 異常に寒い、そしてだるい。

 だるさはいつもの事なので、結局出かけてしまえば平気だろうと思ったけど、何故か起きれない。

 出かけ先に連絡を入れる。少し時間をもらって様子を見ることにする。

 状態、改善せず。出かけ先に休むことを告げる。

 やがて、鼻水の噴出、体の発熱、目の発熱等等が起こり、「あ。これ風邪ひいてんや」と気づく。

 昔の事が思い浮かぶ。

 昔は、どれだけ風邪症状が出ていても、「熱が三十七度三分を超えないと休ませない」と言う、俺にだけ課せられる変なルールがあった。

 病弱キャラだった妹は「ちょっとだるい」と言うだけで休ませてもらえるが、健康キャラだった俺は「頭が痛かろうか、だるかろうか、鼻水が流出しようが、喉が変になって声がキュルキュルになろうが」、学校に通わわされていた。

 あの時の基準で考えてはいけないと言う事は分かるのだが、寒くてだるいだけで眠っていて良いのか…と言う、変な負い目を感じてしまう所がある。

 ちなみに、今回は風邪薬が行方不明になって飲めなかったので、「ビタミンC入り飴ちゃん」でほとんど治した。

 薬学的には、ビタミンCでも治るはずなのである。風邪薬を飲んでいるときのように、「体が軽くなって風邪を引いていないように振舞える」と言うわけではないが。

 ちなみに、今も熱は上がっていて、体はいつも以上にぽかぽかである。

 十四時頃まで、「何も考えたくない」と言う症状に見舞われたが、十時七時台の現在はちょっと頭を働かせるくらいは大丈夫である。

 そう。過去の恨み言をちょっと思い出すくらいなら…。

 病気になると人は弱気になるらしく、自分が今、実家で眠っているんだと思い込んでいる夢を見た。

 だけど、実際は風邪を引いて臥せってるときに実家に居ても、何もサービスを受けられるわけではなかったのが事実。

 風邪エピソードで一番高級なサービスを受けられた時が小学校の頃一回だけで、母親が面倒臭そうにヨーグルトを買ってきた覚えがある。

 何より、「こいつほっとけば回復するでしょ。なんでヨーグルトなんてもの買って来てあげなきゃならないの?」って言う表情が、母親の顔中から発されていたのを覚えている。

 ムカついてきたら頭痛くなってきた。

 仕方ない。今日はシャワーも風呂もなしでじっくり眠りましょう。

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