番外編
「危ない!」
アンはとっさに叫んだ。
「いや大丈夫」
「何で?
あの、何というか、布の面積が小さくて薄い服装の子達が魔王に上からものを言ってるから・・・殺されても文句は言えない」
「小さくて薄い服装の子達は淫売、だよ。
こっちの世界のサキュバス、さっき魔王もサキュバスと言っただろ」
「え?
魔力を感じないんだけど」
「んー、人間なんだよ普通、普通すぎるほどの普通の淫売」
「だから?」
「魔王はサキュバスが好きなんだ」
「はー、そうなんだ」
「あの、お嬢さん。
あの、あなた様は神様なのですか?
お話を小耳に挟みましたが、天子さまよりも上席のようにもお見受けしました」
「神様?
私が、ですか?
私はヒーラーです、ヒーラーのアンです。
こちらが魔法使いのレイ。
そしてCIWS搭載の亀です」
「ヒーラー?
・・・分かりました、そう言うことにしておきます。
魔法使い、って、ハハッ、まあここは浦安でな無いのですが・・・いいでしょう。
亀・・・まあ、まあ、ご都合もおありでしょうし、そうしましょう」
ビクティムには素朴な疑問があった。
「アンは聖女ではなくヒーラーになったのか?」
「え?
聖女?!」
驚いたように呟いた修道院長達を放っておいてビクティムは続けた。
「成人式があったんだろ?
そこで選択すると聞いている」
レイは笑いながら
「アンはね、一歳年齢が小さくて来年が成人式。
だから親の職業を名乗ってるのね」
「間違っていたのか、お前を拾ったとかいう御夫婦」
こらえきれなくなったシスターが突如喋り出した。
「あ、あ、あ、養父に育てられたってイエス様と同じじゃないですか?!
ヒーラーって癒しの家を建てる大工の要素もあるのでは?」
突然の展開に声の出ない枢機卿を横目で見ながら修道院長は落ち着いた様子で話し出した。
「申し訳ありません、失礼いたしました、 神の子でしたか。
突然ですが教皇様がぜひお話をしたいと・・・電話に出てもらえますか」
アンは手渡された携帯電話を見よう見まねで耳に当てた。
「あの、神の子でらっしゃいますか?」
「アシャの子です」
「アシャ・・・ヤハウエイ・・・アハウエ・・・アシャ、あなた様の親は神ですね・・・有難うございます有難うございます、私のような汚れたものにお声をいただき有難うございます」
かなり無理があったが、修道院関係者に聖騎士達は皆ひれ伏した。
「なに楽しそうにしているんだ、アシャの子よ。
お前は貧乏ヒーラーの子供だろうが」
魔王は淫売達と一緒に座って談笑していた。




