番外編
「どういうことかな?
お前たちは1つであったが私が繋がりを二つに裂いた・・・だが今は二つの個体になっている」
「分裂したんだ、プラナリアのように」
十字軍の二人は声を合わせて言った。
付き添いを自任する女は「こいつらがバカでよかったー」と目をうるませていた。
だが魔王は困惑しながら・・・
「あり得ないんだが、こんな奇跡は・・・。
まさかとは思うが」
魔王はシスター達を見た。
「いや違う、ここまでの聖なる光を発することは出来ない。
だが・・・」
魔王はシスターの首をつかんで自分の背後に投げ込んだ。
黒い手がおびただしくシスターをつかんで暗闇に引きずりこんだ。
ビクティムが声も出せなずにことが進展していく中、魔王はさらに
「さて、試してみるか」
今度はもう一人の十字軍メンバーを真っぷたつに切った。
「さてどうなるか」
二つに裂かれた人が二人になって蘇った。
「これは面白い、殺し放題だ。
ビクティム、お前だな!」
魔王はビクティムに向かって剣を差し向けた。
「いや、私しではない」
となりに座っていた淫売は傲慢な魔王をにらみながら
「こいつ手品師か?
タネ仕込んだのはお前だろうが、白々しい」
魔王は淫売の首をつかんで後ろに放り投げた。
ビクティムは頭を抱えながら呟くように「やめてくれ」としか言えなかった。
「お前しかいないんだよ、こんなことができる可能性があるのは。
だが普通はあり得ない。
何を使ったのかはっきりと教えてみろ。
そうすれば痛みなくお前たちを殺してやろう」
ビクティムはなにも知らないので答えようがなかった。
「あいつらはどうなる」
「は?」
「暗闇に送った連中はどうなるのかと聞いたんだ」
「私の質問に答えてないぞ。
まあいい、もとの世界の私の城にいる。
心配するな快楽を与えてやるだけだ。
感謝されたいぐらいだ」
「戻してくれ、お前の言う快楽など必要としない」
「それを決めるのは私だ」
「・・・」
沈黙するビクティムに魔王は眉をしかめてシスターと淫売を暗闇から取り出した。
「まあいい、コイツらは使い捨てしかできんからな」
「ああ、ありがとう」
「さあ、どうやったか教えてくれ。
答えなければここで使い捨てにしてもいいんだ」
「答えはそこまで来ている」
暗闇を押し退けるように白い霧が修道院の中を満たし、やがて光が満ちあふれてきた。
魔王は腕で顔を隠して光の方を見た。
そこには亀に乗ったアンとレイがゆっくりと近付いて来るのが見えた。
「あーらガーベラさん。お久しぶり。
えーと、今はビクティムさん、でしたっけ?」
「ビクティムが危ないとか言われてもね、誰それ、って感じだよね」
アンとレイはケラケラと笑った。
「ところでこれがカオス?」
アンは魔王を指差した。
「ずいぶんと、渋くなったね。
もう女の子やめたんだ?」
魔王は光に圧倒されながらも何とか平静を装って言った。
「幼きヒーラーよ、保護者はどうした。
勝ち組のつもりだろうがお前たちは先の戦で何の功績も無いんだぞ」
二人は顔を見合わせて少しニンマリと笑った。
「あーら、魔王様?
気づきませんでしたわずいぶんおやつれになって。
地球の水が合わなかったのかしら?」




