番外編
「さて、帰るとするか。
こっちの世界には将軍を置いて征服させることにしたよ、私は城でお楽しみがあるからな。
ビクティも来るか?」
「帰れよ、はやく」
「いやいや、まだお前を含めてコイツらを殺してなかったからな」
魔王は落ちている剣を探したが見当たらなかったので、ソアーの魔剣を奪おうとしたが別の剣があることに気がついた。
「おやおや、これは珍しい。
こちらの世界の魔剣か」
そう言うと枢機卿に近づき村正を奪い取った。
なにも出来ない枢機卿はただ震えていた。
「これはいい、この剣は何者にも媚びないのか。
神にも、そしてこの私にも」
魔王は怯えて震えている皆を見渡したのだが誰も目を合わせなかった、しかし十字軍を名乗る若者たちは魔力に鈍かったので魔王を正視して聖剣を持って立ち上がった。
「何が魔王だ、わが祖先は・・・」
剣を縦に振ると魔王は剣をかかげて感心するように見上げていた。
「ギャーーーー!?」
十字軍の女が悲鳴をあげた。
仲間の一人が脳天から肛門まで真っ二つに切られていた。
「こいつはろくでもないクソだったが・・・こんな終わりかたをするとは」
「ベッドの上で大往生出来なくて残念だな。
・・・残りの連中はベッドを持ってくるか?」
こう言いながらニヤニヤ笑ったが、魔王は自分の足元に何か落ちたことに気付いた。
「こいつは、誰だ?
いやよく知ってるのだが、単純に名前が特定できない・・・ジークフリード?いやフランタニヤン?
めんどくさい、勇者を名乗っていた老人か」
フランタニャ王は突然空間から現れ魔王の足元に倒れて動かなかった。
「個人を特定できる名前があると魔術で呪い殺されるとでも思ったのか、色々と名をかえていたな。
だがもう聖なる光も残りわずか、その火も消えようとしている」
「さすがに異世界を行き来すると力がスッカラカンだ」
魔王はフランタニャ王の言葉を聞かずに踏みつけるとクビに剣をあてた。
その時魔王を聖剣がつらぬいた。
「綺麗に切ってくれてありがとうよ、右脳の俺は本能的にお前を切ることができたよ」
切り殺したはずの十字軍の若者が魔王を切り裂いていた。
やまない修道院の鐘はさらに大きく鳴り響いていた。




