番外編
「この戦利品は先に城に送っておくか」
魔王は堕天使を片手で持ち上げると漆黒の闇とかした後ろに投げた。
闇からは無数の手がのびてきて堕天使を絡めとるようにつかんで引きずり込もうとするのだが、体のほとんどが引きずり込まれながら残った頭でビクティムに向かって叫んだ。
「おい、助けろ!
ミヒャ、、」
助けを求めたが、最後まで名前を呼ぶことは出来なかった。
魔王は最後の言葉に感心があるようで少し振り返りながらビクティムにむかって語りかけた。
「おや、ミヒャ・・・エルかな?
そう言えばお前の天使としての名を聞いてなかった」
「あいつは私を呼んでなかったようだ」
「そうか、大天使が色情狂になるのも考えにくい。
ところでお前は私を倒しに来ないのかな?」
「あいにく私はまだ生に執着していてね」
「そうかそうか。
では私は800万の我が軍を謁見に参ろうか」
魔王は翼を広げて大きく一度羽ばたくと天井をすり抜けて外に出た。
「おい水龍、何とかしろ」
「あれはさすがに・・・まあ私は戦わない主義だから」
相変わらず修道院の鐘は鳴り続けている。
バチカンの聖騎士達は完全に戦意を失っていたが信仰心の薄い十字軍のメンバーは呆然としていたがまだ意識ははっきりとしていた。
「弱点とか無いんすか?
暗闇とかにいる感じなのに日焼けしてるから日光が苦手とかニンニクや十字架が嫌いとか」
ビクティムは水龍の方を向きながらその話を聞いて吐き捨てるように言った。
「あいつが嫌いなのは光だ、ただの光ではない聖なる光だ」
十字軍の女がブラウスの胸をひらいて
「うちら持ってる」
胸を見ながら少し笑いながらいったが、すぐにビクティムは
「あいつの闇を照らすような光だ、私やお前達のでは自分の足元を照らすことしか出来ない」
皆が静まり返っていると外から大きな歓声が聞こえた。
そして修道院の中では突然電話が鳴り響いた。
「はい、もしもし渋谷修道院です」
「何が起こっているんだ、我々のいるバチカンからも分かる、君たちは邪悪な闇に包まれているそして・・・」
「魔王を、名乗るものが現れました」
「・・・世界は終わるのか。
私達もそこにむかおう、神と共にあらんことを」
外から普通にドアを開けると淫売達が駆け込んできた。
「すげえな、買春客だらけだ。
穴が幾つあってもたりないわ、
少しは警察は取り締まってくれないもんかね
・・・どうしたのビクティム?」
頭を抱えるビクティムに気付くと横に座って肩を抱いた。そしてビクティムはすぐに返事をした。
「お前らはやく日本から出ろ。
たぶん長崎あたりから国外に行くのが結界の流れからして都合がいい」
水龍がうなずきながら
「もしくは江戸城跡に入って隠れるんだ。あそこはまだ強い結界がある、雨乞いのシャーマンとそして弓兵も生き残っているかもしれぬ」
「あそこには入れないよ、私ら一般人はさ。
教会の屋根ではしゃいでる顔面が黒いオッサンが原因かい?」
「お前らは知らなくていい。
水龍、結界はもういい・・・アンを連れてこい」
「いやしかし、成人式もそうだが「ビクティム?誰それ」って言ってた白状な連中だぞ」




