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プチヒーラー  作者: テクマ
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番外編

聖騎士たちや十字軍の面々は魔王を目指す天使に困惑しながらも、お互いに目配せをしながら一斉に切り込んだ。


「おい!

手応えが無い、つまりこの、このお方様は・・・天使」


聖騎士たちは膝まついて手を合わせた。


「私はなんというあやまちをしてしまったのでしょう」


しかしソアーは聖騎士を蹴とばしながら前に出ると


「ならば魔剣で切れるだろ!」


そう言うと背中から真っ二つに切り裂いた。


「はははっ、こいつはまだ悪魔には程遠いクソ神ってことだ」


体を2つに裂かれてブランブランさせていたがすぐに元に戻して余裕のある表情で喋りだした。


「まだまだだ、残念だが魔剣で我が魂まで裂くことは出来ない、

私は聖なる光に守られている」


「神の奴はこいつへの聖なる光の供給を絶てばいいのになぜ」


「あいつはまだ私に、改心する可能性、と言うのを与えているつもりなのさ。

だからこの光が消えることは無い」


「神の愛は堕落した天使にまで与えられるのか」


皆が絶望から無力感に支配されていると


「私を崇拝しろ、そうすればその絶望の淵から解放されるぞ」





「悪魔の言葉を聞くな!」


枢機卿は力強く言い切ると「最も狡猾な悪魔は神の舌を使って語りかける」そう言って立ち上がった。


「昔そう言った奴もいたそうだ、

なんと言ったか、光秀だったか。

当時の魔王の討伐にでたが仏教神の助けを得てなんとか堕天使の魔王の命を奪ったがその引き換えに一族郎党殺されたそうだ」


狡猾に笑う堕天使の前で枢機卿はさらに力強く言い放った。


「私には家族はいない、遠い親戚なら顔も知らん、殺されても何とも思わん」


「そうか、だがそいつが殺されると心が痛むのではないか」


そう言って堕天使は修道院長を見た。

睨みつける枢機卿の目を見ることもなくニヤケながら堕天使は話を続けた。


「ただ殺しても面白くない、神に弓引くお前が苦しむように天罰として・・・

堕神が群れる外に放り出してやろう」


「おい、修道院長は老婆だ」


「関係ない、穴さえあればいいのだ、死んでないだけ上等だ」


そう言い終わると高笑いした。

何人かの聖騎士は空を切る聖剣で切りかかったが殴り飛ばされて痙攣した。


「見事だな、お前達聖騎士は聖剣で切れないとは、神も喜んでおられるだろう」





聖なる光を凌駕するどす黒い霧に包まれた教会には、いよいよ天使が悪魔になることを予感させるに十分であったが、なにか違うことにビクティムは気付いてどす黒い霧の中を目を凝らして見つめた。


「これは元気のいい悪魔の誕生だ」


どす黒い空気の中から邪悪な声が聞こえた。


「ビクティムの代わりに新しい将軍を迎えることにするか」


堕天使の後ろに魔王が現れて堕天使の後ろから片腕で首を締め上げた。





「お前は一度ふにゃに負けてるだろ」


「ふにゃ?

そこのこん棒を持った猫族か、たしかにそうだ。

だが神は一時的な勝利で手駒を捨ててしまうんだ。

私はそれをよく知っている、もう戦士としては機能しないだろう」


魔王は堕天使の髪の匂いをかぎながら恍惚とした表情になった。


「魔王になるとか可愛いことをいっているようだな、可愛がってやるぞ、私を喜ばす方法を仕込んでやる。

それに命を狙われるのは嫌いではない」


修道院の中を見渡した魔王を見ていたビクティムは


「全員を殺して行くのか?」


「私は無駄なことが嫌いなんだ、コイツらは後100年もせずに死ぬだろう、今殺すのは無駄だ。

それよりもこの現実を世間に広めて恐怖が広がるほうが私には嬉しい。

数人は生かしてやるか」


修道院の鐘が鳴りひびいた。


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