番外編
日本のパンデミックを察知した各国の聖騎士たちが日本に上陸した。
「堕神討伐!
世界への拡散をゆるさん」
ユーチューブに拡散されたカオスが神を倒した映像を参考に学習し、日本で実践した。
そしてその中心である渋谷にある修道院を目指した。
「何人、いやなん柱か、倒してもきりがない。
日本の人口からして10人にひと柱はいないと思うのだが」
「だがとにかく多い、修道院に近づくほどに密度が高くなっている」
バチカンから来た聖騎士たちは疲れきっていた。何度も神に殺されてはビクティムに蘇生されて「自分はアンデッドなのでは」と錯覚するほどになっていた。
眠る必要のないビクティムとソアーは切り続けた。
「はっはっは、これはいい、堕神とはいえ神を切り放題だ。
だが、シスター達は修道院から出るなよ。
さすがにこの神達の死に際は醜い」
「第9次十字軍到着しました!」
「第13次十字軍到着しました」
「バカどものお目付け役到着しました」
「枢機卿も入ります」
「おうよくきた諸君、修道院に入りなさい」
修道院に至るまでかなりの神とまみえたがまだ元気な三人と、歩くのも精一杯の枢機卿はビクティムに声をかけられると修道院に吸い込まれるように入った。
「シスター長浜、元気そうでよかった、シスター達も怪我が無いようだ」
「枢機卿様、これは勇ましいいでたち、剣を振るわれた?
でも相手は神ですから私達シスターは何もできません」
「堕神から悪魔になるのです、この中途半端な力の弱い時に叩かねばなりません」
「分かってはいるのですが、神様たちはもっとこう、力を蓄えてから攻めてきてもよいとも思いますが」
神たちの圧力が強くなると龍水が結界を結界をはって守ったが、その龍水が張った結界をやぶって何者かが強引に修道院に入ってきた。
薄暗い天井に夕方の光のような赤黒い光に包まれた人が立っていた。その重力に逆らい立っている異常な姿を皆が息をのんで見守っていると、突然身をひるがえしてゆっくりと地上に舞い降りた。
まるで重力が無いかのように祭壇の上に降り立った白い衣に白い羽を背中から生やした天使はまわりの人たちを見回すとゆっくりと喋り出した。
「おやおや、お久しぶりだ。
何千年経ったかな?
もっともお前はいくつもの肉体を乗り換えたようだが・・・」
ビクティムはその天使を見ながら「誰だったかな?」とつぶやいた。
「忘れたと言うのか?
さんざんカオスと名乗っているバカ者と私をいたぶって楽しんでくれたのに、忘れただと・・・
・・・ふざけるな!」
シスターはこの天使に向かって駆け寄り「私達を助けに来てくれたのですよね」と言った。
「黙っていろイエスの色が」
そう言って殴り飛ばした。
「お前は何回神に殴られるんだ」
ビクティムがシスターの傷を治すと舞い降りた天使は感心するように「そこまで出来るようになったか」と言い
「あと数百年はかかると思っていた。大したものだ、だが私はお前と入れ替わりに魔王になる」
天使はみずから純白の翼を引きちぎって黒い翼を生やして皆に見せた。
ビクティムはおぞましいものでも見るように目を細めて見ていたが、重い口をひらいた
「私は魔王であったことはない。
私が仕えていた魔王は堕天使のデーモンではなく、サタンだ、生粋の悪魔だよ」
「魔王は異世界の魔界に幽閉状態だそうだな。
天上界では話題になっているよ、かつては天上界で暴れたお前がそれに荷担したそうだとも聞いた。
ならば私はお前を倒して魔王になる」
「お前は何も知らないな、魔王を撃退したのはそこの猫だ」
ビクティムはこの状態でも母猫に甘えているふにゃを指差した。




