番外編
修道院に電話が鳴り響いた。
「はい、渋谷区修道院です」
「もしもし、もしもし、修道院長のシスター長浜をお願いします」
シスターは修道院長に電話をつないだ。
「はい、電話かわりました、長浜です」
「日本教区の枢機卿の千葉です。
先ほどバチカンから、渋谷の修道院周辺に悪意と善意の混沌があると、教皇様が心配されておるとの電話がありました。
私にも感じますがどうなっていますか?」
「神様が・・・いえ、楽園を追われた悪魔が集まって来ているようです」
「これは・・・魔王への手土産に天使さまを差し出そうと言うことかもしれません。
教皇様に伝えなければ、
くれぐれも悪魔と争いにならぬよう、もし争いになったら我々では対処できないので逃げてください」
「ほらいたぞ、そいつだ分かるか」
ビクティムは聖騎士たちを連れて売春婦が集まる通りに来ていた。
陰売たちはのんびりとガードレールに腰をかけてスマホを見ていた。
「お、ビクティム、客連れてきてくれたのか。
しかもイケメンの外人さんと・・・美人の外人さん?
まあどうしても言うなら相手するけど、本職は次の通りだぞ」
「お前達は向こうで袖でも引いてろ」
皆を追いたてると3人の陰売が残ってぼんやりとビクテイムを見ていた。
そのうちの一人が立ち上がるとぼそぼそと話し出した。
「客じゃないようだね、そして、これは・・・何とも珍妙な取り合わせだ・・・」
「お前ら見たことない顔だ。
どうだ、快楽に溺れている気分は?
・・・神様たちよ」
「ああ、ああ、いいねえ、人を導くよりもいい。
いや、これもある意味導いているのだろう、ヒャハハハ」
広角を上げて笑う姿に神としての品格は無く、悪魔そのものであった。
聖騎士たちはそれが何者なのか理解してその堕落ぶりに胸が焼けて吐きそうになるのをこらえた。
「聖騎士諸君、この汚物の掃除のしかたを教えよう」
ビクティムは聖剣で神がとりついた陰売の胸を突き刺すと金色の人の影が押し出されるように後ろに飛ばされた。
金色の人の影は苦しみながらもまだグネグネとうごめいていた。
「まだ生きているか」
聖騎士たちは飛び出した神のクビをはねた。
「おお、俺は神を手にかけたのか。
・・・覚悟はしていたがこれが混沌における正義なのか」
残った2人を聖騎士たちは聖剣で突き刺すと同じようにクビをはねた。
「・・・良いものではない、神、なのだから」
「まだ神だが、コイツらはすぐにでも悪魔にかわる、そうなると魔王を崇拝し我々に数で挑んでくる」
1番歳の若い金髪の青年はリーダーの黒人青年に諭すように言った。
「わかっている、教会に拾われた子供の時から毎日のように教わって今日に備えてきた、が・・・お前のように貴族の家柄で代々備えてきた者とは違うのだ」
ビクティムはさらに客として来た神の憑依した男を刺すと神の髪の毛をつかんで引きずりながら、次に病気で倒れていた陰売から魔族を引き出して聖騎士たちに「これを見ろ」と言った。
「神に至る物と、魔に至る者だ。
どちらがマシな存在だ!」
聖騎士たちが戸惑っていると静観していたソアーが双方のクビを魔剣で切って「同じだ、切るべき存在だ」と叫んだ。
「おお、神よ、唯一の最高神よ、神を殺めることを許したまえ」
野良神から罰を受け、魔族から呪いを受けて意識がもうろうとしながらもビクティムから回復のヒールを受けて聖騎士たちは切り続けた。




