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プチヒーラー  作者: テクマ
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ふにゃ様

数日すぎるとお客さん的な空気は消えて弟子として扱われた。


「アン、お湯を沸かしてくれ。

なんだ魔法を使えないのか、レイ頼む」


「アン、昼食の準備をしてくれ。

おいおい、パンを焼けないのか、レイはどうだ、出来るのか、よし頼む」


「アン、いや、レイ、病室の清掃をしておいてくれ」

「私も出来ます」

「じゃあアンと二人で頼む」


「レイ、この魔薬をさっきの患者さんに渡してくれ。アンは、本を書庫に片付けて」


「レイは神殿に偉い人が来ているからレイラを手伝ってくれ、アンはトイレの掃除を頼む」


「アンは道の動物の糞を穴を掘って埋めといてくれ」


「よし、今日はもういいぞ、ヒールと魔法の練習だ、アンは魔法がまったくできないから、まずは指先に火を灯してみて、ハハハハッ、下手くそだな、何回も繰り返して練習だ」


「さあ寝るか、アンはヒールだけはデカいからな、結界をちゃんとはっといてくれ。レイは少しずつ慣れたらそれでいい、まずはアンの結界をなぞるように、そうだいいぞ。

アンは洗体出きるようになったか?無理なら洗体してやるぞ、意地をはるなよ、臭くなると患者が帰ってしまう。レイはうまくできるじゃないか、アンも見習え」


「ふう」

「お疲れ様、アン」

「レイはなんでも出きていいねえ」

「メイドしてたからだよ」

「劣等感を感じるよ」

「アシャさんは欠点指摘して叩いて伸ばすのかな、メイド長さんがそうだった」

「あぁ、そうだったんだ、優しかったのに」

「はじめはきびしかったけどね、基本は優しかったよ」

「ふーん、

ねえねえ、私は神殿に呼ばれたことがないんだけど。神殿で何してるの?」

「んー、お祈りしたり。お茶入れたり、お供えしたり、飲んだり。お菓子作ったり、お供えしたり、食べたり。

魔法を使うからあまりせかせか動かなくていいんだよね」

「魔法、いいな。はやく上手くなりたいよ。

リュウはお母さんとお出かけか」

「ドラゴンになるとドラさんは大きいらしいね、リュウの10倍とか」

「はしゃいでたね、おかあしゃん、でかいんだよ、って、ハハハハッ」


「おい、いつまでおきているんだ、さっさと寝ろ」

「はーい」


「寝ようか・・・アシャさんはアンのお母さんじゃない?」

「そうだと・・・いいかな、どうだろうね分からないな。レイラさんこそレイのお母さんぽいよね」

「違うでしょう、いい人だけど。

母は遠くの国の貴族だって聞いてたけど、レイラさんは貴族じゃないし」





弟子たちを寝付かせてアシャとレイラはお酒を飲んだ。


「レイラ、子供とお茶してどうだい」

「気を使ってくれありがとう、いい子に育ってて安心しました」

「帝国の貴族に預けたんだったな」

「そう、知り合いの、です。あの子はヒールが少し使えたから知り合いの貴族がビンセントの所に奉公に出したと聞いたけど、魔法の属性の方が強いから運よく婚約者にならなくてすんだみたい。・・・アンちゃんは不運よね」

「あれは私に似てガサツだから貴族には嫌われるよ。案の定、ビンセントの小せがれは親父が捕虜になったらすぐ婚約破棄して癒し能力の低い好きな女と結婚したみたいだから」

「せっかく農家に拾わせたのに、やっぱり収まるところにおさまるもんですね」

「おさまってはいない、出戻りだよ。

それよか、お前はレイを引き取ればいいよ。かりに魔王が復活しても魔力が強いお前は前線に出されないから」

「この国は男が前の戦争で沢山死んだので、前線に出ないとしても私も戦に行くことになります。それで泣かれるとイヤなんですよ。それに、とことこと、付いてこられるともっと困る。魔王はいつ来るかわからないけどそれまでは跡継ぎ程度に仕込もうかな。のんびりどこかでヒーラーか魔術師でもして生活出きる程度になれたらいい」

「うちのも連れてどっか行ってくれよ」

「連れて行けって言っても、アンちゃんは探されますよ。普通の戦争ならヒーラーは後方支援だけど魔王戦なら前線で直接魔王を弱体化できる兵器だから」

「私が決着をつけるからアンはのんびりすればいい。

せっかく遠くに逃がしたのに帰って来るとはね」





ようやく患者が減ってきたので午後から余裕が出来た。


「アシャさん、なにをしているんですか?」

「杖に癒しの力を移しているんだ、いつ魔王が来るかわからんからな」

「武器にするんですか?」

「そうだよ、これをぶっ刺すと神聖な力で魔王の体が溶けるんだ」

「私達もやってみたい」

「そうか、じゃあこれに」


アシャはアンとレイに杖をわたして、二人に杖に念じた。


「ダメだ、なかなか溜まらない」

「そりゃそうだ、そんなすぐには溜まらないよ。

そんなすぐに溜まったら王国に武器として売るって、ハハハハハッ」


それでも10日ほどでいっぱいになった。


「いっぱいになりました」

「じゃあ、次」

「いくつやるんですか」

「地下室行ったことあるだろ、あそこにある杖全部だよ」

「ええ!」

「驚きすぎだよ。あいつは素早いからなかなか刺さらないから。

ん、患者さんかな、アン出てくれ」


アンは待合室に行くとネコ族の少女がいた。


「御病気ですか」

「アシャに会いに来たんだニャ」


少女は手に鋲のいっぱいついた棍棒を持っていた。


「なんだ、ふにゃ、じゃないか。どうした」

「小遣い稼ぎだニャ、王国が傭兵や冒険者を集めているんだニャ」


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