デーモンゲート
馬車の中でレイとサキュバス達は目を大きくして本を読んでいた。
アンはあくびをしながら横目で三人を見ながら少しからかうように「目が乾くんじゃないの?」と言ったがレイが。
「ヒーラーはいいよね、とりあえずヒール、てなこと言えばなんとかなるし。
私達は生死がかかってるんだよ、例えるならば魔法学の最終試験を今、まさに今、受験する感じ」
「わかるう、受験勉強する期間もないものね、でもデーモンコアを潰した実績があるから大丈夫!
・・・だよね?」
「はあ、ため息しか出ない。
だが国境から少し先まで行く数日間でなんとかしてやる」
窓の外を見ながらおじいさんが笑いながら「サキュバス達はタイミングの違いを会得すれば良いのであって・・・」と言いかけてからやめて外をあらためて見渡して皆に言った。
「国境を越えたな、フランタニヤ領だ」
アンが
「えっ、どこ?」
と言うと皆が
「某国か」
と言った。
そしてみんなが口をそろえて
「某国ってフランタニャっていうのか」
だがしかし、さらに声をそろえて
「いや、早すぎないか?
さっきドラゴニアを出たばかりだよ」
馬車に外では王子達も戸惑っていたが先行している国境の騎士達に追い付いていたのでなにか声をかけなければと目を点にしながら
「よく分からんが・・・これも神のお導きだろう」
適当に理由付けして更に進んだ。
だが王子は内心「この奇跡はアンか?すごい力だ」と思っていた。
その間ずっとアンは騎士や馬にヒールをしていたがそれほどの力は使っていなかったので、おじいさんを見て「あんたがやったの?」と言いたい顔をするとおじいさんは「知らんね」と言った顔をした。
だがすぐにデーモンホールの手前にある湖についた時におじいさんはニマニマと笑っていたのでアンは
「あー、やっぱりこいつか」
と言ったがレイは半分泣きそうになっていた。
「全く頭に入ってないんだけど!」
たかし達は少年に手伝ってもらって湖をほぼ渡りきっていた。
しんがりに残った巨大な亀には背中に固定されたドームから覗いた聖剣を加工した銃が固定されており、その銃から銃弾が連射されていた。
「CIWSファランクス?!」
アンが驚きの声を出したが、周りは意味がわからず、サキュバスは「卑猥な生物をつれてきやがって」と言って喜んでいた。
たかしはアンに近づいてきて説明をはじめた。
「これがCIWSファランクスと知っているとは驚きだ。
この亀は、ボオーーーー、と泣くのだがその鳴き声をよくよく聞くと、バババババと聞こえる、つまり銃の連射に使えるのではないかと私は考えて亀を銃の近くに連れて行くと・・・フフフッ、それが上手く行ってね、連射が出来たってわけさ。
しかも私の開発した魔族レーダーを装備したドームを一体化して亀の甲羅の部分に取り付けると、最強兵器の出来上がりってわけさ」
アンとレイはニコニコしながらたかしの説明を聞いていたがすぐに忘れた。
そうするとサキュバス達に向かって亀が動き出して、ボオーーーっと鳴きだした。
「おお、いけないまだサキュバス達に反応するのか、もうほぼ人になっていると言うのに」
銃からサキュバスにむけて銃弾が発射された。
「グオオオッ・・・・・これはたまらん、アンの洗体魔法にも勝るとも劣らぬ、もっとぶっかけてこい全部受けとめてやる」
たかしは「こんなこともあるんだな、すこし感度を落とすか」と言って亀達に攻撃しないよううながした。
サキュバスは「手間をかけるな、私らは感度がいいから」と言ってぎゃはぎゃはと笑った。
そこに少年が向こう岸から泳いで来た。
「これで最後か、さあさあ亀さんのって・・・あれ人が増えたな、追加の駄賃が必要だよ・・・」
アンが少年をマジマジと見て
「駄賃は後で払うとして・・・
少年
あんた誰?
見たところドラの子供?」
少年はアンの目を見ながら
「ドラか、良く聞かれるが。
違うぞ、俺はドラの子では無い。
俺は異世界から来た、神、だ!」
アンは少年の話の途中から目をはずしてレイに
「しまったマンドラゴラに水やるの忘れてた、ミスティ大丈夫かな。
ドラで思い出したよ・・・
あ、ゴメン、髪がどうしたって?」
「まったく、人の話を最後までちゃんと聞くようにお母さんから教わらなかったのか?
まあいい、一般には水龍と呼ばれている神龍なんだけどね、異世界では神として崇め奉られていた。ちなみに200年前に来たんだ。
それで異世界から龍が消えたんだよ」




