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プチヒーラー  作者: テクマ
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父親


「セバス、あなたがついていながらこれは何?」


「分かっている、まさか君たちの・・・いや、あの噂が本当だとは」


「あの愚か者達はどうでもいい。

もえもえちゃんを連れ出されたら介入しろと言ってる!」


「それでもレイには状況を好転させる能力があったし、実際あぶなかったがやりとおした」


レイラはイライラしながらカミソリの形をした聖剣をブーメランのように飛ばしながら中身のないひしゃげた鎧の喉元を何度も切りつけていた。


「中身は無いのか」


手ごたえがないのでやめると次はサキュバス達の喉元に聖剣を飛ばした。


「おい!」


サキュバスはよけるためのけ反ったが喉を聖剣が貫いたように見えた。しかし何事もなかったように聖剣は通り抜けた。


「ちゃんと聖なる楔が入っているか、さすがアンだ。

それに比べてレイ、鎧を糸で拘束できただろ」


「え、ええ、はい。

慌てていて・・・出来ませんでした」


「この子はグズだ、この実習は通らない、魔術師としてはここまでだ、連れて帰るからね」


「待ってくれ、その判断は我々がする」


そこにレイのお婆様とお爺様が飛んで来て言った。


「久しぶりね、レイラ。

もう少し早ければ夫婦揃って会うことが出来たのに残念」


「お母様・・・今はその話はしていません。

話がややこしくなるから・・・やめてください」


「あなたは優しすぎるから弟子を育てるなんて出来ないわよ、ましてや子供である弟子。

あなたは、のんびりしてていいのよ、さあ帰りなさいはやく、はやく。

アシャさんよろしくね」


「しかし、この結果では・・・この子には才能が・・・」


「はじめたのが遅かったから、その前にあなたがもうちょっと仕込んでいたらとも思ったのだけど、まあその辺は大丈夫、じき追いつきますから。

ねえあなた」


「ああ、そうだな」


短くレイラの父親が答えるとレイラは下を向いて黙ってしまった。


「アシャはこのままでいいんでしょ?」


アシャは鎧の顔の部分を踏みつけて裂け目を広げようとしていたが、レイラの母親の問いかけに顔を上げた。


「私はかまわない、そちらで仕込んでもらった方がアンはのびるだろうし、安全だ。そこら辺は王子に言ってある」


「ではそう言うことで、ドラさんもお元気で」


ドラは深くお辞儀をすると、セバスチャン達はアンとレイそしてサキュバスを連れて帰っていった。



「私はどうなるんです?」


成り行きをすみで見ていた神官は涙を流しながらアシャに言った。


「お前は誰だ?」


「もともとここで神官をしていた、神官です。

一度さらわれたのですが、アンさん達と戻ってきました・・・」


「そうか、ここで身が立つようにしないとな。

せっかちだなあの連中。

まあ、ここは安全だ、結界石もちゃんと活性化しているし・・・村の人も元に戻っている」


「はい、でも、神殿長もみな死んでしまっていてどうすればいいのか」


「ヒールを教えてやろう、ヒールは金になるし、村人からお金をもらえる」


「はい、でも難しいのでは」


「簡単だ、特に信心深い聖職者はすぐ使える」


アシャは手に傷をつけてヒールで治してみせ、そして神官にも同じようにするように言った。神官はすぐに傷を治すことが出来た。


「お前は祝福もできるからここで軍隊を作ることもできる」



「ところで、ふにゃはどうしたらいいのにゃ」


「お前は、指示してもどうせふらりと出ていくんだろうけど・・・しばらくここでご飯でも食べさせてもらって、用心棒でもしておけばいいか」


「わかったにゃ、アシャはどうするにゃ」


「私らは掃討戦でもするか、ふにゃが飛ばしたデーモンコアをあの魔族の本体が拾いに来るだろうから」


アシャとレイそれとドラはあたりをつけた場所まで飛んで行った。






「ここらへんだろ」

「ああ、魔王の汚らしい魔力を感じる」


「これだ。

しかし頑丈だな、ふにゃがかっ飛ばしても穴も開いてない」


「ドラ、闘気を消すんだ。

あの弱っちい魔族は近寄ってこれないぞ」


少し離れたところで様子を見ていた三人はほどなくして二体の魔族が近づいてくるのに気付いた。

魔族がデーモンコアを拾おうとしたときアシャが話しかけた。


「おやおや、変わり果てた姿だ事」

「本当においたわしい、そんなに身をやつしてまでどうして生きているのやら」


アシャとレイラはしゃがんでデーモンコアを手にした魔族を見下ろすように言った。


「ん・・・おおこれは懐かしい、お前たちは・・・歳をとったな。

これはこれはおいたわしいことだ」

「我々に会いたくて来たのかな」


「うちらの子供達をたぶらかす悪魔を退治しに来ただけだよ」


アシャは口角を引き上げて笑っているように見えた。


「怒りに満ちているのを感じるよ、昔と変わっていない。

それに”私達”の子供だろ」

「そうだな、お前達の言うことも分かる。

だが、どっちが幸せかなんてお前らが言えた義理か。

お前たちは育児放棄したんだからな」

「しかしだ、私達を殺す前に光をはめ込んでみてくれないか」


「尻尾と角の生えた気色悪いお前たちは人として生きていく資格がない」


「アンはサキュバスを人にかえたぞ」


「腐った口でその名を口にするな」


「口が悪いのも相変わらずだ。

サキュバスの方がおしとやかだ」


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