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プチヒーラー  作者: テクマ
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増殖するドラゴン

アンはサキュバス達を連れて城の居室に戻っていた。


「はいはい、キレイキレイしましょうね」


アンは外から帰ったのでサキュバス達に洗

体をしてあげていた。


「そろそろ聖魔法も覚えてくださいね、洗体も自分で出来るはず」

「おおおっ、いやこれはされるものだぞ、するものではない」

「・・・」


『いや自分でやれよ』と思ったがちょっと怖いので言葉を飲み込んで世話をしてクサビを確認した。


「『クサビよし!』じゃあ私は寝るから、ちゃんとベッドで寝てくださいね」

「ああ、わかったよ」


眠い目をこすりながら、アンはサキュバスたちの部屋の隣にある自分の部屋に入って寝た。

サキュバスは睡眠をほとんどとらないのですぐに目が覚めてゴソゴソと動き出すのだが、他の人に迷惑なのでアンは眠りに落ちるまで隣の部屋から大きな声がすると声をかけて静かにさせるのが日課になっていた。


「・・・アハハ・・・」

「静かにしてくださいね」

「はーい」


「・・・それマジか!」

「・・・」


「・・・それでそれで」

「・・・」


「・・・寝たか?」


サキュバスたちはアンから返事がなくなったので部屋まで様子を見に行った。


「おーーい、アン、あのさーー」

「・・・」


「深い眠りに落ちたな」

「ああ、よく寝ている」


「おーーい、アン、殺しに来たよ」


声を殺しながらクスクスと笑いながらサキュバスはアンの首に手を伸ばすと軽く触れてまた手をはなした。


「ダメだ力が入らない」

「聖なるくさびをとらないとダメか、物理的な方法なら出来るだろうがそれに至るまでになにかが邪魔する」


サキュバスはアンの毛布を少し下にずらしたが、また首までかけなおした。


「風邪ひかすとかは無理だな、自分で治してしまう」

「こいつを殺して魔界に帰ったら将軍になれるんだがなぁ」

「小屋から出たあのときが最後のチャンスだったのか、もう少し近ければクビを落とせたのに」


サキュバスたちは深いため息をついた。

話し声に気付いたアンは目を覚ました。


「うう~ん、どうしたのトイレ?」

「いや、ちょっと暇なのでブラブラ」

「騎士さんたちをあさりに行かないでね」

「ああ、分かってるよ。

我々は必ずしも淫乱ってわけでは無いんだ」

「暇なんだな。明日、本でも借りてこようか」

「ああ、その前に人の字を覚えないといけないが、まあとにかく寝てくれ。

我々は部屋に戻るよ」

「うん、おやすみ」


自分の部屋に戻ったサキュバス達は落胆した風でベッドに腰を下ろしてうなだれながら足をブラブラさせていた。


「我々ほどのサキュバスがあんな辺境で人相手に売ってる分けないだろう、アイツを殺しに来たんだよ、少し考えたら分かりそうなもんだが」

「分からないから我々を近くに置いてるんだろ」

「失敗して魔王城に戻れなくなっただけでは無い、完全に取り込まれたな」




次の日にアンはサキュバスを連れてレイのもとに本を借りに行った。


レイはサキュバスたちを本のある部屋に案内して魔族の言葉で書かれた自分好みの本を探させているあいだ自分の部屋で机に紙をひろげてアンに言った。


「ほれ、号外だ。

アン、昨日魔族とあの王様の所と戦争があったんだってさ」


アンは号外を取り上げて食い入るように見た。


「久しぶりだね、うちらが見学した時以来?」

「たぶんね。

そこで子供ドラゴンが活躍したらしいけど、5体いたってさ」

「へっ?りゅうとサイラとライザ、ドラも勘定に入れたとしても4体か、増えてるね」

「りゅうが使ってた聖剣の連射出来るのを使って無双したって書いてるけど、それはたぶんサイラだね」

「パイプを沢山探してたもんな、結局ガトリングタイプの銃になったんだ。M134かな」

「ガトリング?

それで魔族は敗走したんだけど1体だけ何発撃ち込んでも弱体化しないのがいたらしい」

「実体をもっていない高位の魔族で魔力が桁違いに高いってことか。

魔王クラスか、ついに出てきたのか。

それでアシャにしては珍しく逃がしたのか」

「アシャは前線にいなかったらしい」

「後ろからのんびり見てたのか、あの人らしい。たぶんチャンスだったのかもしれないのに」


サキュバスたちは本を持ってレイとアンのいる部屋に来ると机の上にあった戦争を伝える号外をいちべつしたが顔色を変えずに立っていた、


「本が決まったら帰りましょうか、レイの勉強の邪魔になるし」


サキュバスたちはおとなしくアンの後ろを歩いていた。

不意に大人のドラゴンに呼び止められた。ドラゴンは前日サキュバスが収穫した子供のドラゴンを連れていた。


「こいつの兄弟が活躍してるようだ。

そんな事態なんで、領内にいるあいだは、こいつを足がわりに使ってくれ。遅いが無いよりは便利だ」


アンは特に断ることも無いのでそこで引き取って名前を聞いた。


「名前は無い」

「マンドラゴラみたいに植わってたからマンドとドラゴとゴラのどれがいい」


子供ドラゴンはあいかわらずアンの目を見ずに「ドラゴがいい」と言ったが大人のドラゴンはそれはダメだと言った。


「ドラゴニア国でドラゴは特別な名前だ、つけることが出来ない」


それを聞くとアンは「じゃあ・・・」と言った。


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